エベレスト登山者の遺体発見が増加、温暖化で氷雪解け

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温暖化でエベレストの氷雪が解け、登山者の遺体が見つかるケースが増えているという/ROBERTO SCHMIDT/AFP/AFP/Getty Images

温暖化でエベレストの氷雪が解け、登山者の遺体が見つかるケースが増えているという/ROBERTO SCHMIDT/AFP/AFP/Getty Images

(CNN) 世界最高峰のエベレストに挑んで命を落とした登山家の遺体が、気温の上昇によって氷雪が解けたために発見されるケースが増えている。

1922年以来、エベレストで命を落とした登山家は200人を超す。遺体のほとんどは、氷雪の下に眠っていると思われる。

ところがネパール登山協会の元会長によると、地球温暖化の影響で雪や氷河が解けたため、登頂隊によって発見される遺体が増えている。同氏の会社だけでも、2008年以来、7人の遺体を回収したといい、中には1970年代の英国の登山家の遺体もあった。

エベレストの氷河が解けて薄くなっていることは、学術研究でも示されている。ネパール国立登山ガイド協会の当局者は「非常に深刻な問題」と位置付け、「事態は悪化しており、我々は強く懸念している」と語る。

氷河が年間1メートルのペースで溶けている場所もあるといい、同協会のシェルパは「遺体のほとんどは我々が街へ運ぶ。だが降ろすことのできない遺体は祈りをささげて岩石や雪で覆う」と説明。政府はこうした遺体の扱いについて対応を怠っていると嘆いた。

遺体を下山させる作業は危険が大きく、費用もかさむ。シェルパの1人は、山頂に近い高度8700メートルの地点で見つかった遺体を回収する作業は特に危険が大きかったと振り返り、「体重は150キロもあり、あの標高の困難な場所から回収しなければならなかった。非常に困難な仕事だった」と語った。

遺体回収のための経費を政府に拠出させるまでには時間がかかるという。それでも「これは私たちの義務だと思っているので、遺体が見つかれば下山させる」とこのシェルパは話している。

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