フィリピン全土ではしか大流行、デング熱ワクチン問題で予防接種激減
(CNN) フィリピン全土ではしかが流行し、この数週間で1500人以上が感染、26人の死亡が報告された。当局が7日に明らかにした。
マニラの首都圏では441人の症例が確認され、5人が死亡した。感染はルソン島やビサヤ諸島を含む国内全土で拡大し、患者数が激増している地域もある。
マニラ南部のカラバルソン地方では、今年に入って575人の症例が報告され、前年の21人と比べて2538%増となった。今年の死者は9人に上っている。
保健省によると、はしかの予防接種を受ける人が少ないのは、デング熱ワクチン「デングワクシア」の接種が中止された問題に起因する可能性がある。
フランスの製薬大手サノフィパスツールは2017年、過去にデング熱のウイルスに感染したことのない患者が、デングワクシアを接種された後にデング熱に感染すると、症状が重症化する可能性があることが分かったと発表した。
フィリピンでは2016年からデングワクシアの接種が行われていたが、同ワクチンに関連する死者が出たことを受け、検察が政府当局者を起訴していた。
ドゥケ保健相は、はしかの予防接種はデング熱の予防接種とは違うと強調し、子どもに予防接種を受けさせるよう、保護者に呼びかけてきた。
国営通信によると、ドゥケ保健相は7日、はしかのワクチンは安全で、世界中で何十年もの間使われていると述べ、予防接種を受けさせるよう保護者らに訴えた。
保健省によれば、予防接種を受けない子どもはこの1年で10万人以上増えている。