トランプ氏、「サハラ砂漠の壁」を提言か 欧州の移民問題で
マドリード(CNN) アフリカ大陸から欧州へ移民が大挙して押し寄せている問題で、スペインのボレル外相は21日までに、トランプ米大統領からサハラ砂漠に長い壁を築いて解決を図るべきだとの提言を受けたことを明らかにした。ホワイトハウスはこうしたやり取りの有無について否定的な見方を示している。
ボレル氏がマドリードで18日に行った演説で述べた。トランプ氏との会話の具体的な日時には言及しなかったが、「最近の」出来事だという。
CNNが確認した音源の中で、ボレル氏はトランプ氏の声色をまねながら「サハラ砂漠をぐるりと壁で囲んでしまえばいい」と発言。トランプ氏本人がそう語っていたと説明した。
ボレル氏によれば、サハラ砂漠の広さについて問われたトランプ氏は「米国とメキシコの国境より大きくはないだろう」と答えたという。
ボレル氏は「サハラ砂漠の方がはるかに大きい」としたうえで、壁の建設は「いずれにしてもあまり役には立たない」と述べた。スペイン外務省の報道官は、CNNに対してボレル氏の発言内容を確認したもののそれ以上のコメントを控えた。
一方、ホワイトハウスの高官はCNNの取材に答え、トランプ氏とスペイン側との間で移民問題に関するやり取りはあったとしながらも、具体的な発言内容については記録がないとして、ボレル氏の説明に異議を唱えた。
アフリカ北部の多くの国にまたがるサハラ砂漠は、東西の距離がおよそ4800キロ。これに対して米国とメキシコの国境線の距離は3200キロ足らずだ。
国連の国際移住機関(IOM)によると、今年に入り地中海経由でスペインに入国した移民の数は3万3000人超と、欧州入りした移民全体の43%を占める。同国はアフリカ北部にモロッコと国境を接する2つの飛び地領を有している。