命にかかわる猛暑が常態に、死者3倍増を予想 英報告書

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英国の夏の記録的な猛暑や熱波は、今後さらに大きな問題となると予想される/Kirsty O'Connor/PA Images via Getty Images

英国の夏の記録的な猛暑や熱波は、今後さらに大きな問題となると予想される/Kirsty O'Connor/PA Images via Getty Images

ロンドン(CNN) 英国の夏の記録的な猛暑や命にかかわる熱波は、気候変動の影響で、今後さらに大きな問題となることが予想される――。超党派の議員でつくる環境監査委員会が、26日にまとめた報告書でそう指摘した。

この夏の英国は記録的な猛暑に見舞われている。英気象庁は、イングランド南部や東部の最高気温は35度に達すると予想、熱中症の症状に対する厳重な警戒を呼びかけている。

環境監査委員会の報告書によると、熱波に関連する死者は、2050年代までに3倍に増えて年間7000人に達する見通し。特に高齢者は熱波に伴う心疾患や呼吸器疾患で死亡する人が増えると予想した。

住宅や、病院や介護施設を含むビルは熱を閉じ込める設計になっていることから、過剰な暑さになるリスクがあるとも指摘。気候変動は熱波のリスクを倍増させ、英国で観測史上最高の38.5度を記録した2003年のような猛暑は、2040年までには「1年おきに」発生する可能性もあるとした。

「これほど重大なリスクを認識しながら、政府は増大する熱波の脅威に関する明確な情報を国民に提供せず、英国で一般に受け入れられている熱波の定義も存在しない」と報告書は述べ、猛暑から国民を守るための政府の対応を促している。

26日には世界保健機関(WHO)も、欧州を襲う猛暑に関連して、死者が増えるとの見通しを発表した。もしも二酸化炭素の排出量が多い状況がこのまま続けば、アテネやブダペスト、パリ、ローマなどの都市では、熱波を原因とする死者が2030年までに年間400人を超すと予想している。

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