従業員が同僚のランチに毒物混入、21人の死に関与の疑いも ドイツ
ベルリン(CNN) ドイツ北西部シュロス・ホルテシュトゥーケンブロックにある会社の社内で、従業員の男が同僚のランチに毒物を混入したとして、殺人未遂容疑で逮捕された。警察は、男がほかにもこの会社で21人の死亡に関与した可能性があるとみて、捜査を続けている。
逮捕されたのは、近郊のビーレフェルトに住む男(56)。警察によると、防犯カメラの映像に、この男が同僚の弁当箱のふたを開けて中のサンドイッチに何らかの物質を混入する様子が映っていた。
容疑者のかばんからは、小瓶に入った粉末が見つかったという。
サンドイッチの持ち主は、不審な物質がふりかけられていることに気付いて上司に報告し、上司が警察に通報した。
捜査機関がこの物質を調べた結果、有毒物質の酢酸鉛だったと思われることが判明。もし摂取していれば、重度の臓器不全を引き起こすほどの量だった。
裁判所は殺人未遂容疑で男の逮捕状を発行。男は5月17日に出廷した。現時点で動機は分かっていない。
容疑者のアパートからは、水銀や鉛、カドミウムなどの重金属が見つかった。警察によると、男は以前から毒物の製造を試みていたとされる。
捜査の結果、この会社ではほかにも過去数年の間に2人が体調不良を訴えていたことが分かった。さらに、2000年以降に死亡した従業員らについても調べ直し、特に引退前に死亡した21人については、重金属中毒の痕跡がなかったかどうか調べている。
「この会社では、死者に占める心臓発作やがんの件数が異様に多かった」と警察は指摘する。
今後は遺族や元主治医に話を聞くほか、遺体を掘り起こして調べる可能性もある。