ノーベル平和賞授賞式、被爆者のサーローさんらが演説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ノルウェー・ノーベル委員会で行われた記者会見で文書に署名するサーローさん(左)=12月9日、オスロ

ノルウェー・ノーベル委員会で行われた記者会見で文書に署名するサーローさん(左)=12月9日、オスロ

(CNN) 今年のノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーの首都オスロで開催され、受賞した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の代表者と、被爆者としてその活動に参加してきたカナダ在住のサーロー節子さんが演説で核廃絶を訴えた。

サーローさんはICANのベアトリス・フィン事務局長とともに演説。世界の核保有国に対し、「あなたたちの行動が重大な結果をともなうことを知ってください。皆さんはそれぞれ、人類を脅かす暴力システムの一端を担っているのです」と警告。「私たちはもうこの狂気を容認し続けるわけにはいかない」と訴えた。

ICANは核兵器禁止条約を推進した業績を評価されて平和賞を受賞した。同条約は核兵器の開発、実験、生産、獲得や保有を禁じる内容で、今年7月に世界122カ国の賛同を得て採択された。

核保有国の米英仏ロ中や、核実験を繰り返す北朝鮮は交渉に参加しなかった。

サーローさんは演説で、13歳の時に広島で被爆した体験を振り返り、級友たちの「体の一部を失った姿」や、「骨から肉と皮がぶら下がっている姿」を目の当たりにしたと語った。

級友の大半は生き残ることができず、4歳だったおいも「誰だか判別できない溶けた肉の塊と化して」亡くなった。おいは「死によって苦しみから解放されるまで、かすかな声で水を求め続けた」という。

フィン氏も演説で「ほんの1回の衝動的なかんしゃくの先に相互破壊が待ち受けている」「これまで核戦争を回避してきたのは分別ある指導者ではなく、幸運のおかげ。私たちが行動できなければ、遅かれ早かれ運は尽きる」と警告した。

「World」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]