足元の路面に信号機、ドイツで「歩きスマホ」対策
(CNN) スマートフォンの画面ばかり見ていて信号を無視してしまう歩行者の多さに業を煮やし、ドイツの2都市が足元の路面に信号機を埋め込む対策に乗り出した。
南部のアウクスブルク市はこのほど、利用客の多い2駅に道路埋め込み式の歩行者信号を敷設した。2011年に路面信号を導入したケルン市にならった措置だった。
コストは信号1機当たり約1万ユーロ(約126万円)。苦情も出ているものの、「損害を防止できると考えれば帳尻は合う」と市の広報は説明する。これで赤信号を無視する歩行者が減るかどうかを見極める方針だという。
警察によると、アウクスブルク市では3月8日、ヘッドフォンをして歩いていた19歳の男性が、列車の進路に踏み込んで重傷を負った。ドイツの別の都市でも歩行者の不注意による死亡事故が起きているという。
歩きスマホによる事故はここ数年で急増している。米オハイオ州立大学の2013年の調査によれば、歩きながら携帯電話やスマートフォンを使っていて負傷した人は2005年~2010年の間に倍以上に増え、1500人あまりが病院の緊急治療室に運ばれた。
この調査にかかわったジャック・ネーザー教授は、「歩きスマホによる負傷者数が2010年~2015年にかけてさらに倍増してもおかしくない」と話している。