「火の蛇」狩り、ギニアワーム撲滅への取り組み

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南スーダンでボランティアが絵本を使って子どもたちに教育する様子

南スーダンでボランティアが絵本を使って子どもたちに教育する様子

住民を教育する取り組みは、地元の村人の活用により大きな成果を上げている。

ケアンクロス氏は1990年代はじめから、米国疾病管理予防センター(CDC)が1980年に開始したギニアワーム撲滅プログラム(GWEP)に関わってきた。このプログラムでは「地域ヘルスワーカー」というシステムを初めて導入した。このシステムは今や世界のさまざまな医療保健プログラムで採用されている。

ギニアワームは主に辺ぴな農村地域で発生するため、各プログラムの責任者が現場に常駐して病気を細かく監視することは不可能だ。そこで、予防の取り組みの大部分は地元のボランティアと地域の対策チームによって行われている。彼らは監視役を務め、自分の村で感染の恐れのある人を特定するために常に住民の話に耳を傾けるとともに、水くみ場で住民に水をろ過するためのフィルターを配布するなどの活動を行っている。

ギニアワームは、一度撲滅しても紛争中に対策を怠ったり、社会の不安定化により再発する恐れもある。現在、症例の大半が南スーダンで発見されているのもそれが理由だ。

2007年にガーナでギニアワームが発生したが、この時は同国の政府当局が国民の生活水の劣化を許し、水が感染したのが原因だった。今やギニアワームの症例はほとんどないが、仮にまだ残っていれば、いずれ再発・拡散する可能性もある。そうした事態を防ぐためにも、「最後の症例」の発見は極めて重要といえる。

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