「火の蛇」狩り、ギニアワーム撲滅への取り組み

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アルコール漬けにされたギニアワーム

アルコール漬けにされたギニアワーム

ギニアワームは、1986年にアジア・アフリカの21カ国で350万件の症例が確認されたが、以後その数は急減し、2013年はチャド、エチオピア、マリ、南スーダンの4カ国で148件が確認されたにすぎない。

現在、症例の大半は南スーダンで発見されている。

現在の課題はこうした「最後の症例」をいかに発見するかだ。ケアンクロス氏は、「(ギニアワームの)撲滅に近付けば近付くほど、症例の発見が難しくなる」とし、「現在残っている症例は、発見できないか、忘れられているかのどちらかだ」と付け加えた。

ギニアワームは、今や世界で症例がほとんどなく、1症例当たりのコストが高騰していることもあり、大半の西側政府の研究・調査の対象外となっている。

「かつてギニアで100万ドル(約1億円)をかけてギニアワームの症例を発見するための調査が行われたが、結局発見されたのはわずか1件で、それも他の地域から持ち込まれたものだった」とケアンクロス氏は語る。

しかし調査にかかるコストはさておき、この病気の予防に必要なのは「きれいな水と教育」の2つだけだ。

ギニアワームの予防で重要なのは、簡単なナイロン製のフィルターで水をろ過し、感染した場合は水の中に入らないよう住民に伝えることだ。住民たちは、水に含まれるメジナ虫の幼虫を除去するために、水を飲む前にナイロン製のフィルターや衣類などで水をろ過するよう指示されている。また住民らが水をくむ水たまりは浅いため、頻繁に水の中に入る必要がある。

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