イスラエルが予備役召集、ガスマスク配給 シリア情勢受け
(CNN) シリアのアサド政権軍による化学兵器使用に対応する米英、フランスなどの武力行使が近く予想される中で、イスラエル政府当局者は29日までに、シリアがイスラエルへの攻撃に踏み切る可能性は少ないとしながらも、予備役兵士の召集を一定規模で行っていることを明らかにした。
シリアに肩入れするイランのファルス通信は最近、シリア軍幹部の発言を引用し、「シリアが攻撃されたら、イスラエルも同様に火に包まれる」と伝えていた。
イスラエル政府当局者はこの中で、シリアや親イラン勢力によるイスラエルへのミサイル攻撃などへの対抗措置は準備していると指摘。同国が開発した対空防衛システム「アイアンドーム」などを臨戦態勢に置いていることを明らかにした。
また、市民の防衛策の一環として主要都市テルアビブの郵便局では住民にガスマスク数千個を無料で配給した。イスラエル国民の推定約7割が既にガスマスクを備えているという。
イランのファルス通信は28日、代表団が31日にシリアを訪れ、最新情勢の把握に努めるとも伝えた。イラン議会の国家安全保障・外交政策の委員会に属する議員は、この代表団は、米国によるシリアへの最近の威嚇を受け同国政府と国民への支援を示すのが目的とも述べた。
アサド政権軍による化学兵器使用については外交筋が先に、イスラエル軍の情報機関が化学兵器の使用現場への搬送に関するシリア軍司令官間の通信を傍受した事実をCNNに明らかにしていた。
米情報機関は現在、近く公表されるシリア軍の化学兵器攻撃に関する報告書を作成しているが、米政府当局者はCNNの取材に外国機関筋が傍受した通信にも言及すると明かしていた。