生存者50人発見、がれき下で出産も バングラデシュのビル崩壊
バングラデシュ・サバール(CNN) バングラデシュの首都ダッカ近郊のサバール町で発生した8階建てビルの倒壊で、消防当局者は26日、3階の残がい部分で50人が生き埋めになっているのを新たに発見したと発表した。
50人は助けを求める声を出しており、食料や飲料水を与え、トンネルを掘るような形で数時間内の救出を目指している。
国営バングラデシュ通信(BSS)によると、消防当局者はまた、がれきの下敷きになりながらも出産した女性1人が26日、救出されたと述べた。出産した女性は当初、2人とも伝えられていた。
縫製工場などが入るビルの倒壊は24日に発生。がれきの下の生存者が生き残る確率は72時間が経過すれば大幅に減るとされる。数百人規模が依然下敷きになっているとみられる。地元警察によると、親族などの報告をまとめると行方不明者は595人となっている。
確認された死者は26日時点で計307人だったが、27日に新たに18人の遺体が見つかり、325人となった。大半が縫製工場の従業員とされる。これまで助け出されたのは同日の19人を含め計2394人となった。
救援対策当局者は、生存者の救出作業は27日朝に終了するとの見通しを示した。この後はクレーン車などの重機を投入し、遺体の収容やがれきの処理に当たる。
救出打ち切りや重機使用の情報を受け、行方不明者の親族らが事故現場に集まって抗議する混乱も起きた。BSSによると、警官隊は催涙弾を発射し、排除した。首都ダッカでも数千人規模が路上に集まり、今回の事故発生などに抗議した。
ビル倒壊の詳しい原因は不明だが、倒壊の前日、建物内に複数の亀裂が入っていたことがわかっている。バングラデシュの基幹産業である縫製業での安全操業管理基準の不備に対する批判が高まっている。