レーダーは「気象兵器」、破壊目論む陰謀論集団に警戒呼びかけ 米
(CNN) 陰謀論を唱える自警集団が気象観測レーダーを「気象兵器」と見なして破壊しようとしているとして、米国立気象局(NWS)が警戒を強めている。海洋大気局(NOAA)が5日に送信した内部メールで明らかになった。
CNNが入手したNOAAのメールによると、狙われているのは国立気象局のドップラーレーダー網。「ベテランズ・オン・パトロール」という反政府自警団が、NEXRAD(次世代気象レーダー網)施設の破壊に利用できる弱点を見つけ出す目的で、同レーダー網への侵入訓練に参加するよう呼びかけているという。
ベテランズ・オン・パトロールはNEXRADを「気象兵器」と呼び、米国民による「兵器」の破壊を禁止する法律は存在しないと主張しているとされる。
NEXRADのレーダー網は1990年代から設置され、大気中の降水量観測に使われているほか、竜巻や激しい雷雨を予測して警報を出す役にも立っている。米連邦航空局(FAA)や米空軍もこのシステムを利用する。
NOAAはメールの中で対策を呼びかけるとともに、「不審者は相手にせず、地元の警察に通報すること」と通知した。
同集団の挙動については米連邦捜査局(FBI)なども警戒を続けているという。
国立気象局はトランプ政権によって数百人が解雇されたり早期退職したりした影響で、多くの部局が人員不足に見舞われている。
もしレーダーが故障した場合、今は特にタイミングが悪い。レーダーの修理を担当する技術職は現在、90人以上の空きがある。採用が凍結されていることから当面の間、この状況は変わりそうにない。