トランプ氏が大規模集会、検察による「権力の乱用」を批判

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米国のトランプ前大統領/Alex Wong/Getty Images

米国のトランプ前大統領/Alex Wong/Getty Images

(CNN) トランプ前米大統領は25日夜、南部テキサス州ウェーコで2024年大統領選に向けた大規模集会を開き、ニューヨーク州やジョージア州、首都ワシントンで自身に対する刑事捜査が進む中、「権力の乱用」を批判する主張を展開した。

トランプ氏は捜査が選挙戦を邪魔する政治的動機に基づくものとの見方を根拠を示さずに提示。「検察による権力の乱用は彼らの新たな道具で、それをかつてないレベルで使おうとしている」「我々は彼らを止めなければならない」と述べた。

場内ではトランプ氏の支持者が陣営が印刷した「魔女狩り」と書かれた紙を掲げる様子が見られた。

トランプ氏は捜査を「でたらめ」とこき下ろし、マンハッタンやジョージア州フルトン郡の地元検事を民主党の「子分」と呼んだ。

トランプ氏はニューヨーク市でアダルト映画界のスター、ストーミー・ダニエルズ氏への口止め料支払いを巡る捜査に直面している。一方、ジョージア州では20年大統領選結果を覆す運動の捜査が進んでいる。司法省のスミス特別検察官は、フロリダ州にあるトランプ氏の自宅「マール・ア・ラーゴ」で見つかった機密文書、20年大統領選結果を覆す運動、21年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件でのトランプ氏の役割についてそれぞれ捜査を進めている。

ニューヨーク・マンハッタン地区検事の捜査は最終段階に近づいている。トランプ氏は自身が立ち上げたSNSを通じて自分の逮捕を予言し、それが「死や破壊」につながる可能性があり、「我が国にとって破滅的」になりうると警告した。

トランプ氏の元個人弁護士マイケル・コーエン氏は16年の大統領選の直前に、トランプ氏との疑惑の関係を公言しないよう、口止め料としてダニエルズ氏に13万ドルを支払ったことを認めている。一方、トランプ氏はそのような関係はないと否定し、25日の集会でも再度否定。軽蔑的な言葉でダニエルズ氏に言及した。

トランプ氏は集会で、出馬が近づいていると目されるフロリダ州のデサンティス知事も攻撃した。選挙戦初期段階の世論調査では、デサンティス氏が手ごわい相手となる可能性が示唆されている。

トランプ氏は18年のフロリダ州知事選挙でデサンティス氏の勝利に貢献したと主張した。デサンティス氏は昨年の中間選挙と同時に行われた知事選で、全米の他の共和党候補が予想より苦戦を強いられる中、地滑り的勝利で再選を果たした。

トランプ氏はフロリダ州の成功は過去の共和党知事の功績によるもので、デサンティス氏によるところはほとんどないと主張。新型コロナ対策での公衆安全を図る措置でも、他の共和党知事のいる州より積極的過ぎたと批判した。

「私は大ファンではない。彼はポール・ライアン(元下院議長)の弟子だ。社会保障やメディケア(高齢者向け保険)を削減したがったのはそれが理由だ」とも語った。

トランプ氏はまた、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席にも言及。2人は「非常に頭のいい人物」とした上で、「2人が今後100年の世界の秩序について話し合ったこと」は「想像しうる最も悲しいことの一つだ」と述べた。

さらに「私はプーチン氏とうまくやっている」とも述べ、プーチン氏がウクライナに関して発言していることに触れて「彼は1つのピースが欲しかった」「今となっては、彼が最終的に全部を得る可能性が高いようにみえる」と語った。

会場のあるウェーコは30年前に連邦と州の当局がカルト教団の施設を強制捜索した「ウェーコの包囲」で知られる。51日に及ぶ立てこもりでは86人が死亡し、極右の人々によって政府による行き過ぎた対応を象徴する場所となった。

トランプ氏は今回の集会について、テキサス州の中心近くにあるという地理的観点で決まったと説明し、ウェーコの包囲とは関連付けていない。

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