ウクライナからの「ロシア軍の物理的な駆逐」、すぐには起きない可能性 米軍制服組トップ

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米国防総省で行われた記者会見で発言するミリー統合参謀本部議長=16日、米バージニア州アーリントン/Alex Wong/Getty Images

米国防総省で行われた記者会見で発言するミリー統合参謀本部議長=16日、米バージニア州アーリントン/Alex Wong/Getty Images

(CNN) 米軍の制服組トップのミリー統合参謀本部議長は、ウクライナが目指す「軍事力によるロシア軍のウクライナ国外への物理的な駆逐は、極めて困難な任務」であり、「近いうちに」達成される公算は小さいとの見方を示した。

16日の記者会見で述べた。ミリー氏によれば、ロシアは現在ウクライナ全土の約20%を占領。ウクライナはヘルソンとハルキウを奪還しているが、「全体に比べれば領域として小さい」という。

その上で、ウクライナの軍事的勝利を同国全土からのロシア軍の駆逐だと定義すれば、彼らがクリミア半島として領有を主張する地域も含め、近いうちにそれが達成される可能性は高くないとした。

ただし「政治的な解決策はあるかもしれない。政治的にロシア軍が撤退する方法だ」とも指摘した。

「ロシア軍は非常に痛手を被っている。交渉というものは自分たちが強く、相手が弱い立場にあるタイミングで行うのが望ましい。そうすれば恐らく、政治的な解決策が見つかるだろう。今言えるのは、その可能性があるということだ」(ミリー氏)

CNNが以前報じたところによると、バイデン政権内には姿勢の隔たりが存在する。ミリー氏が外交的な成果を強く求める姿勢を見せているのに対し、バイデン政権はミリー氏の発言を受け、ウクライナ政府や外部の専門家、米国の元当局者らに対し、ウクライナ側にロシアとの交渉を直ちに迫ることはないと安心させるための対応に追われる一幕があった。

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