米中間選挙まで3カ月、カンザス州など5州で予備選 6つのポイント

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カンザス州など5州で11月の中間選挙に向けた予備選が行われた/Kyle Rivas/Getty Images

カンザス州など5州で11月の中間選挙に向けた予備選が行われた/Kyle Rivas/Getty Images

(CNN) 11月の米中間選挙に向け、カンザスなど5州で2日、民主、共和両党の候補者を決める予備選が行われた。

このうちカンザス州では人工妊娠中絶の権利を認めた州憲法の規定を削除するかどうかを問う住民投票も実施され、削除反対が賛成を上回る結果となった。

結果に関する要点を以下にまとめる。

カンザス州、中絶認める規定を州憲法に残す

カンザス州の有権者は住民投票を通じ、人工妊娠中絶の権利を認めた規定を州憲法に残すことを選んだ。この数週間前には、最高裁が中絶の権利を認めた「ロー対ウェイド事件」の判例を覆し、連邦憲法上の権利としてこれを認めない立場を示していた。

世論調査では、長く中絶の権利を守る意見が圧倒的優位を占めていた。しかし今回、カンザス州の住民投票で規定削除「反対」が勝利したことは、過去の調査の裏付けというだけでなく、最高裁の判断に対する有権者の怒りの広がりを示唆する結果ともなっている。また11月の中間選挙に向けて、この問題を巡る政治の流れが変化した可能性もある。

今後も州の議員らが中絶を制限する法律の制定を試みるのは可能だが、州の裁判所は中絶の権利が州憲法の下で規定されていることを認識している。

前知事の返り咲きはならず

ミズーリ州では、性的スキャンダルなどで2018年に辞任したエリック・グライテンズ前知事が返り咲きを果たすべく共和党の上院予備選に臨んだものの敗北。下院議員2人も出馬した激戦は、州検事総長のエリック・シュミット氏が制した。

トランプ前大統領はこの選挙からは距離を置き、「エリック」を支持するとした冗談ともとれる声明を投票日前日に出した。

「エリック」がシュミット氏とグライテンズ氏のどちらを意味するのかは有権者の解釈に委ねられた。

弾劾訴追に賛成した共和党議員が敗北

ミシガン州の第3下院選挙区ではトランプ氏の弾劾(だんがい)訴追決議に賛成した共和党のピーター・マイヤー氏が、トランプ氏の推薦を受けた保守派の挑戦者、ジョン・ギブズ氏に敗れた。

弾劾訴追に賛成した共和党議員10人のうち、予備選で敗北するのはマイヤー氏で2人目。この結果を受け、当該の選挙区は11月の本選で最大の激戦区の一つになるとみられる。

ワシントン州では弾劾訴追に賛成した共和党議員2人が予備選での生き残りを狙う。同州の選挙方式では党派に関係なく上位2人の候補者が11月の本選に進む。

アリゾナでは未だ結果が出ず

アリゾナ州知事選に向けた共和党の予備選は、ペンス前副大統領並びに退任するデューシー知事が支持するカリン・テーラーロブソン氏と、トランプ氏が推薦する元ジャーナリスト、カリ・レーク氏が接戦を繰り広げている。

上記の予備選は、トランプ氏の共和党に対する影響力を検証する上で極めて大きな意味を持つ。

もしトランプ氏の立てた同州の各候補者が本選に進み、11月の選挙で勝利すれば、州の選挙機構をこれらの候補者が押さえることになる。アリゾナ州は大統領選で最も重要な激戦州の一つとなっている。

ミシガン州知事選の本選はコロナ政策に対する住民投票の様相か

CNNが予測したところによると、ミシガン州知事選に向けた共和党の予備選は保守派のコメンテーター、テューダー・ディクソン氏が勝利した。同氏は選挙戦最終日にトランプ氏の推薦を受けたほか、州共和党の有力派閥の支持も取り付けた。

本選でのグレッチェン・ウィットマー州知事との対決は、全米で最も激しい選挙戦の一つとなる可能性がある。

中絶の権利に対する防壁を自認するウィットマー氏に対し、ディクソン氏は今回の知事選をウィットマー氏が課した新型コロナの規制に対する住民投票と位置付ける。

4児の母であり、ベッツィー・デボス前教育長官の家族からも支持されるディクソン氏は、公立学校選択制の提唱者でもある。ことによると11月の本選では教育問題が争点として大きな注目を集めるかもしれない。

進歩派がミシガンで再び敗れる

民主党のミシガン州予備選の結果予測について、新たに設置された第11下院選挙区でヘイリー・スティーブンス氏がアンディー・レビン氏を破ったことは、進歩派に改めて打撃を与える形となった。進歩派は今回の予備選の大半で望む結果が出ていない。

米国イスラエル公共問題委員会(AIPAC)並びに同委が創設したスーパーPAC(特別政治行動委員会)にとっても結果は完勝だった。このスーパーPACは、巨額の資金を投じて穏健派を支援。民主党の予備選ではより親イスラエル的傾向の強い候補者につく。

スティーブンス氏とレビン氏はともにイスラエル支持だが、ユダヤ人の後者はイスラエル政府のパレスチナ人に対する扱いについてより批判的な立場をとってきた。また独立したパレスチナとイスラエルを念頭に置く「二国家解決法」と呼ばれる法案の発起人も務める。

進歩派の民主党議員は、今回の予備選シーズンでしばしばAIPACによる資金攻撃の標的にされてきた。進歩派はこうしたグループの支援を受け入れる、もしくは要求する同じ民主党議員に対して不満を募らせている。同グループは共和党の前回大統領選の否定論者にも同時に資金援助している。

AIPACはこの点について、政策目標の達成のため党派を超えた支持が必要だとしてこの慣行を擁護している。

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