バイデン米大統領の一般教書演説、5つのポイント

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バイデン米大統領が一般教書演説

(CNN) バイデン米大統領は1日夜、就任後初の一般教書演説に臨んだ。

ロシアのウクライナ侵攻を非難する一方でインフレ対策などの国内政策を掲げ、分断した国民の結束を図った。しかし、そのアプローチにも限界があることは明らかだった。

演説の間にも、ウクライナではロシアの部隊が首都キエフに迫り、主要都市で爆発が相次いだ。バイデン氏が示した経済政策案に、野党・共和党からはほとんど拍手が起きなかった。

今年11月の中間選挙までに、バイデン氏の演説をこれほど多くの国民が聞く機会はもうないだろう。来年の今ごろも与党・民主党が議会の多数派でいられるかどうかは、演説を通して同氏のメッセージが国民に届いたかどうかにかかっているともいえる。

演説のポイントを5項目にまとめた。

(1)危機との直面

一般教書演説の日に欧州がこんなことになっていようとは、バイデン氏も予想していなかったに違いない。だがそのおかげで「世界各地で忍び寄る権威主義に対し、民主主義国家は自衛する必要がある」というテーマが浮き彫りになった。

バイデン氏は演説の冒頭部分をウクライナ危機に費やし、「民主主義と専制主義の戦いにおいて、民主主義国家が立ち上がり、世界は明らかに平和と安全を選んでいる。これは真の試金石だ」と結んだ。

同氏は演説に先立ち、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談。議場には同国のマルカロワ駐米大使を招待した。

演説の中では北大西洋条約機構(NATO)と米欧の結束を強調し、厳しい経済制裁での協調に言及した。

その一方で、米軍部隊をウクライナに投入することはないと改めて語り、米国民の安全は守られると強調した。

(2)総立ちの拍手

バイデン氏の演説はウクライナ国民への呼び掛けと、ロシアへのメッセージで始まった。同氏が「世界に、ウクライナにはっきりと伝えよう」「われわれアメリカ合衆国は、ウクライナ国民を支持する」と述べると、議場から総立ちの拍手が送られた。

バイデン氏がこれまでに取ってきた経済制裁やNATO諸国への派兵、対ウクライナ軍事支援などの対応は、ほぼ超党派の支持を得てきた。

共和党の一部からはウクライナ上空に飛行禁止区域を設けることを主張したり、バイデン氏の外交姿勢を弱腰と批判したりする声があるものの、プーチン氏との対決姿勢は党派を問わず共通している。

バイデン氏は、プーチン氏がウクライナ国民から予期せぬ抵抗に遭っていると指摘し、さらに総立ちの拍手を受けた。ロシアの富豪らに対しても、欧州の同盟国とともに経済制裁を強化していると語った。

(3)国民への共感

もともと演説の柱となる予定だったのは、インフレ不安が高まるなかで生活費の高騰を抑えるための政策だ。

国産品を増やし、さまざまな分野で競争を促進するなど、4項目の計画で構成される。バイデン氏は国民の経済的な不安にもっと理解を示すべきだという認識に基づいて立案された。ウクライナ危機にともなう制裁の影響で、燃料価格がさらに上昇する恐れもある。

バイデン氏は演説で、家計のやりくりに追われる国民の現状に「分かります」と共感を示し、物価の抑制を最優先課題と位置付けた。

パンデミックから立ち直りつつある米経済は堅調だとして、雇用統計の数字を挙げながらも、多くの国民にとって実感のない経済回復については多くを語らない慎重さを見せた。

(4)国内政策の成果

バイデン氏は昨年の成果として、超党派のインフラ投資法案が成立したことを挙げた。これは民主党議員らが選挙戦でアピールできる大きなポイントだ。

連邦最高裁の判事に、史上初の黒人女性としてケタンジ・ブラウン・ジャクソン氏の指名を発表したことにも触れた。

犯罪の増加に対しては、新たな銃規制法の制定を呼び掛け、共和党からの批判が強い警察予算の削減は「解決にならない」と言明。「解決法は警察予算を拡大することだ」と述べて大きな喝采を浴びた。

一方で、昨年可決に至らなかった気候変動・社会保障関連の大型歳出法案には言及しなかった。

(5)コロナ後への前進

ホワイトハウスは当初、演説の前に新型コロナウイルス対策の制限緩和や新たな変異株に備えた準備態勢などを含む新戦略を発表する予定だった。

ウクライナ危機などを受けて発表は2日に延期されたが、バイデン氏は演説の中で「私たちは安全に日常生活へ戻る前進を続けている」と述べ、ほとんどの国民はマスクを外し、職場に復帰することができると指摘した。

昨年の施政方針演説と違い、議場に集まった議員もマスクを外していた。

バイデン氏はコロナ戦略以上に必要なこととして、「この機会にリセットしよう。コロナを党派分断の境界線としてではなく、ひどい病気としてありのままにとらえよう」「互いを敵視するのではなく、これからは同じ米国人同士としてありのままに見よう」と呼び掛けた。

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