米最高裁のリベラル派、スティーブン・ブライヤー判事が退任へ

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スティーブン・ブライヤー判事=2015年9月、マサチューセッツ州ケンブリッジの自宅で/DAMON WINTER/THE NEW YORK TIMES/ REDUX

スティーブン・ブライヤー判事=2015年9月、マサチューセッツ州ケンブリッジの自宅で/DAMON WINTER/THE NEW YORK TIMES/ REDUX

民主党のシューマー上院院内総務は、バイデン氏の指名人事は「上院司法委員会で迅速な公聴会が開かれ、本会議で慎重に検討、承認されるだろう」との見通しを示した。

共和党のリンゼー・グラム議員(サウスカロライナ州選出)は「民主党が団結すれば、共和党の賛成票が1票もなくてもブライヤー氏の後任を決める力がある」「選挙が結果をもたらす。最高裁判事の後任決定ではとくにそうだ」と語った。

バイデン氏は26日午後、ブライヤー氏退任の報道について自身の見解を示さず、「すべての判事が自分の今後について決定や発表を自ら行う権限がある」「ブライヤー判事からまだ発表はない」と述べるにとどめた。

ブライヤー氏は最高裁で一貫してリベラル派として判断を下してきた。米国の統治機構に対する揺るぎない信念を持ち、法律に対する実用主義的な見方を示してきた。

1994年に民主党のクリントン大統領(当時)に指名され、平均的な市民に法律がどう機能できるのかに焦点を当ててきた。火付け役のような人物ではなく、最高裁は社会問題のすべてを解決できないとも表明した。裁判所は政府部門の一部として見られるべきではなく、いくつかの決定には人々の支持を得られないものもあるだろうとの考えを示してきた。

退任の報道は重大事案の続く今期、保守派判事が力を示しているタイミングに重なった。人工妊娠中絶に関するロー対ウェイド事件の判決を覆す可能性のある訴訟や、銃所持の権利拡大につながる訴訟の審理が進んでいる。大規模事業者に対するワクチン接種義務化を阻止した判断や、テキサス州の中絶制限法を容認する判断では、ブライヤー判事は他の2人のリベラル派判事とともに反対に回っていた。

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