銃購入のための身元調査が激増、新型コロナや暴動が影響か 米FBI統計
(CNN) 米国で新型コロナウイルスの流行が続き、人種差別に対する抗議デモに便乗した暴動が相次ぐ中、銃購入のための身元調査が激増していたことが、米連邦捜査局(FBI)が3日に発表した統計で分かった。
それによると、今年7月にFBIが実施した銃の販売、譲渡、許可に関連した身元調査は360万回を超え、統計を取り始めた1998年以来で3番目に多かった。前年7月の身元調査は200万回を少し超える程度だった。
6月の身元調査は390万回を超えて過去最高となり、3月は370万回で過去2番目の多さだった。
州ごとにみると、イリノイ、ケンタッキー、テキサス、フロリダ、カリフォルニアの各州が身元調査の回数で筆頭を占めた。
米国では法律に基づき、連邦政府の免許を持つ銃のディーラーが購入者全員の身元調査を実施する。購入者は身分証明書を提示して、アルコール・たばこ・ 火器爆発物取締局(ATF)の用紙に年齢や住所、人種、犯罪歴などを記入。売り手からこの情報の提出を受けたFBIが、データベースと照らし合わせて前科がないことを確認する。
今年に入って銃購入のための身元調査が急増した時期は、新型コロナウイルスの流行時期と一致する。6月に入ると、黒人男性の死に対する抗議デモに便乗して、警察施設に対する放火や建物の破壊、商店の略奪といった暴動が相次いだ。
全米ライフル協会は身元調査が急増した理由について、新型コロナウイルスが流行する中で個人の安全に対する不安が高まったことが原因との見方を示し、「不確実な時代には銃の販売が増える。米国人は、自分たちの安全は最終的には自分で守らなければならないと知っている」と強調した。