トランプ氏が「G7にロシア復帰」を主張、他国とは溝も
フランス・ビアリッツ(CNN) フランス・ビアリッツで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、米国のトランプ大統領がサミットへロシアを復帰させたい意向を表明したものの、一部の首脳からは明確な異議が出されていたことがわかった。外交当局者らが明らかにした。
トランプ氏は24日に開かれた夕食会で、ロシアのサミットへの復帰に言及した。夕食会ではイラン情勢やアマゾンの熱帯雨林での火災なども話し合われた。そうしたなか、トランプ氏は、その規模や世界情勢での役割を考慮するなかで、なぜロシアがサミットに参加すべきでないか尋ねた。
こうした発言に、ドイツのメルケル首相や英国のジョンソン首相から厳しい反発があったという。彼らは、ロシアが2014年にウクライナのクリミア半島を併合して以降、反民主主義的な姿勢を強めていると主張した。ロシアはクリミア半島併合後、サミットから排除されている。
ロシア復帰をめぐる話し合いは今回のサミットで最も白熱したもののひとつだった。
夕食会やその他の会合では全体的になごやかな雰囲気で話し合いは進められたが、ロシアをめぐるやり取りでは、両者の溝があらわになったという。
トランプ氏は、夕食会の間、繰り返し、ロシアのサミットからの排除について、オバマ前大統領の責任だったとの見方を示したという。
トランプ氏は26日、記者団に対し、クリミア半島併合の際にオバマ氏がロシアのプーチン大統領に「出し抜かれた」と指摘した。
フランスのマクロン大統領は、プーチン大統領とのつながりを維持することは重要だと一定の譲歩を示した。
イタリアのコンテ首相はトランプ氏を支持した。安倍晋三首相は非公開の場でトランプ氏に共感する姿勢を示したという。
メルケル首相やジョンソン首相、カナダのトルドー首相の考えははっきりしていて、ロシアがクリミア半島にいるかぎり検討の余地はないというものだった。