米大統領夫人の両親に市民権、トランプ大統領が反対する制度を利用
(CNN) トランプ米大統領の妻、メラニア・トランプ氏の両親が9日、米市民の家族を対象とした移民ビザ制度を利用して、米国籍を取得した。両親の弁護士が明らかにした。これはまさに、トランプ政権が廃止しようとしている制度そのものだった。
移民担当弁護士によると、米国籍を取得したのはメラニア氏の父ビクトル・クナウス氏(73)と母アマリヤ氏(71)。弁護士はCNNの取材に対し、「全て順調だった」とコメントしている。
メラニア氏のオフィスはコメントを避けた。
メラニア氏の両親はスロベニアの出身で、米国の永住権を持ち、トランプ氏が大統領に就任してからは首都ワシントンにも頻繁に姿を見せていた。
事情に詳しい関係者によると、両親の永住権はメラニア氏がスポンサーとなって取得し、これが市民権の取得につながった。こうした家族関係に基づくビザはまさに、トランプ政権が米国にとって有害だと主張して、廃止しようとしている制度だった。
現状では米国市民がスポンサーとなって、両親や兄弟姉妹、子どもの永住権や市民権を取得できる制度がある。
トランプ政権はこの制度を大幅に縮小したい考えで、スポンサーできる対象を配偶者と未成年の子どもに限定することを目指している。専門家の推計によると、これによって米国への移住者は全体で40~50%減る可能性がある。