米国防総省、ネットの闇空間でISISを追跡

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インターネットを氷山に例えると、グーグルなどで検索可能な部分は水上に出た一部にすぎない。水面下には実態の見えないウェブサイトが数多く存在し、不正行為やテロ活動のツールとして利用されているとみられる

インターネットを氷山に例えると、グーグルなどで検索可能な部分は水上に出た一部にすぎない。水面下には実態の見えないウェブサイトが数多く存在し、不正行為やテロ活動のツールとして利用されているとみられる

米シンクタンク、ランド研究所のリリアン・アブロン氏は、インターネットを氷山に例えてこう解説する。「氷山のうち水上に出た部分は表層ウェブと呼ばれ、グーグルなどにインデックス化されて検索エンジンで見つけられる。しかし水面下の氷山は、水上部分に対し最大1.8倍の大きさを持つ。ディープウェブと呼ばれるこの部分はインデックス化されない。グーグルで検索できない領域がいかに大きいかということだ。私たちにとってもグーグルにとっても、この部分は闇に包まれている」

そうした領域に光を当てることは至難の業だが、国防総省はどうにかして扉をこじ開け、ISISを追い詰める手段を構築しようとしている。国防高等研究計画局(DARPA)のクリス・ホワイト氏は「問題のコンテンツがどこにあるかを調べて分析できるようにするための技術が必要だ」と話す。

DARPAが開発した「MEMEX」と呼ばれる新技術は独自の検索エンジンとして機能し、グーグルなどの一般的な検索では見つけられないダークウェブ上の活動パターンを明らかにする。

「MEMEXを使えばダークウェブ上のサイトの数とコンテンツの内容を調べることができる。もともとはウェブ上の人身売買を摘発するために開発されたシステムで、ユーザーが隠そうとする不正行為への対処を念頭に置いている」(ホワイト氏)

まずはどこで不正が行われているかを突き止めることから始まる、と同氏は言い添えた。

しかし課題もある。「Tor」のようなツールを通じ、今やウェブ上では簡単に身を隠すことできるのだ。Torのブラウザーを使えば、自分が訪れたサイトや自分の所在地を知られずに済む。ユーザーの姿は基本的に見えなくなるため、米軍や情報機関がISISを追跡して次のテロ攻撃を阻止するのは難しくなる。

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