大腸菌感染で食品の大量リコール相次ぐ 米
(CNN) 米国でスプラウトやひき肉などの大腸菌感染を原因とする食品の大量リコールが相次いでいる。米疾病対策センター(CDC)は22日、生のクローバースプラウトに関連して7人の大腸菌感染が確認され、3人に感染の疑いがあると発表した。
スプラウト関連の食中毒はアイダホとワシントンの両州で発生し、具合が悪くなった人の半数は入院したという。
これまでの調査の結果、アイダホ州の業者が生産したクローバースプラウトが原因とみられることが判明。両州の衛生局は、この業者のスプラウトを食べないよう消費者に勧告した。
一方、別の業者が製造したペーストやディップ製品にも細菌感染の疑いが浮上し、この業者は計約6.7トン分のペーストなどの自主回収を発表。さらにミズーリ州とイリノイ州ではウォールナッツのリコールが発表された。
この2件のリコールは、リステリア菌感染の可能性が浮上したことによる予防的な措置として実施された。リステリア菌は深刻な症状を引き起こし、高齢者など免疫系が弱っている場合は死に至ることもある。ただ、現時点で今回のリコール商品に関連した食中毒の症例は確認されていないという。
これに先立ち米農務省も、大腸菌O157感染の疑いがあるとして、ひき肉約800トン分の回収を発表していた。
スプラウトは過去に何度も細菌感染が問題になっている。カナダの放送局の調査によれば、スプラウト栽培のための温度と湿度が高い環境は、細菌の繁殖にも適していることが判明。カナダの研究者がスプラウトのパッケージ商品44点を調べた結果、78%から、数え切れないほど膨大な量の微生物が見つかったという。