コンクリートの塊が生み出すSFの世界――カメラが切り取った平壌

「次回、平壌を訪れた際に街の音を録音したいと思っています。通りでかかっている不気味で物悲しい音楽を録音するのです。その音楽は街の至る所で聞けます。まさに1950年代のような方法で作り出された夢のような光景です。まるで別世界にいるような感覚で、それを写真で表現するのは困難です。しかし音があれば、自分の周りの空間を把握しやすくなります」

――北朝鮮の建築で、他の場所で目にしたことがなく、特に印象に残っているものはありますか。

「ソ連崩壊後の街を訪れると、丸みのあるデザインや、レトロフューチャーなスタイル、コンクリートや鉄(の使用)など、ビンテージな要素を持つ建築を目にします。これらの建物はモスクワや東欧、中央アジアで見られますが、最新の建築の中でひっそりと建っていたり、取り壊されたりするものもあります」

「北朝鮮では、この種の建築であふれています。そこにあるのは独創的なデザインの巨大なコンクリートの塊だけです。そして、それらの建物はきれいな淡い緑、黄、赤、ピンクで塗装されています。しかし、北朝鮮には他の種類の建物を造る技術がありません。ですから、すべての建物がコンクリートで造られており、ピラミッド型の高層ホテル『柳京ホテル』ですらコンクリート造りです」

「大規模で、見た目がそっくりな建物が数多く立ち並ぶ都市が存在することに、より大きな感動を覚えます。なにしろ街は同じような建物だらけで、しかもそれしかないわけですからね。そのリズムを乱すものは何もありません。他の選択肢はないのです」

――オリビエさんの写真には人が写っていませんが、これは意図的なのでしょうか。

「平壌は決して人通りが多いわけではありません。交通量や野外活動も少ないですし、日常生活で使用される公共の空間も多くありません。非常に静かです」

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