米FBI、中国のハッキング活動摘発と発表 重要インフラ脅かす恐れ
(CNN) 米連邦捜査局(FBI)は18日、ハッキングされたインターネットルーターなど数十万台の機器で構成される巨大ネットワークを裁判所の命令で差し押さえたと発表した。中国政府が関与するハッカー集団がこのネットワークを利用して、米国や他国の重要インフラを脅かしたとしている。
FBIのクリストファー・レイ長官は米首都ワシントンで行った講演で「まだ第1ラウンドにすぎない。戦いはもっと長い」と述べ、「中国政府は皆さんの組織と我々の重要インフラを標的にし続けるだろう」と強調した。
米政府と連携する英語圏の5カ国で構成する「ファイブアイズ」によると、ボットネットと呼ばれる巨大ネットワークを中国のハッカー集団が利用すれば、米国企業や政府機関に対するサイバー攻撃を実行できていた可能性がある。
6月の時点でこのボットネットには、北米や南米、オーストラリアなど世界中でハッキングされたウェブカメラや防犯カメラ、ルーターなど26万台あまりが加担させられていた。うち約半数は米国内にある。
米政府の発表に対して在米中国大使館の広報は「事実無根」と反論し、米政府が中国に対するサイバー攻撃を行っているとして非難した。
FBIのレイ長官は今回摘発されたボットネットについて、米カリフォルニア州の組織に対するサイバーセキュリティー事案に利用され、「相当の経済的損失」を発生させたと指摘した。
中国ボットネットの挙動を監視している米IT企業ルーメン・テクノロジーズによると、同ボットネットは乗っ取った機器を利用して標的に合わせたサイバー攻撃を実施するなど、幅広い機能を備えているという。
米当局者によると、問題のボットネットは3年前からインテグリティ・テクノロジー・グループという中国企業が運営していた。