中国のサイバー攻撃を警告、ワクチン情報狙い 米政府
ワシントン(CNN) 米国土安全保障省と米連邦捜査局(FBI)は13日、新型コロナウイルスに関連し中国がワクチン開発などのデータを不正入手するため米国の研究機関や製薬企業、医療関連組織へのサイバー攻撃を仕掛けている可能性があるとして公式に警告した。
重大な脅威との危機感を示し、研究機関などがネットワークシステムの防衛のため必要な措置を講じるよう促した。
米政府はこれまで、中国は新型コロナの感染拡大に乗じこのウイルスと闘う重要な研究機関などにサイバー攻撃を仕掛け、データの不正取得を試みていると批判。今回の同省とFBIの共同の警告はさらに踏み込んだ対中非難ともなっている。
ただ、このサイバー攻撃への中国の加担を示す証拠は一切示さなかった。
米司法省の国家安全保障担当部門の責任者も11日、中国人ハッカーによる米国の病院や研究所への不正侵入への強い懸念を表明。米製薬企業や新型コロナ研究に携わる研究機関を狙ったサイバー攻撃も見られるとし、「背後に中国人がいないと考えるのは馬鹿げている」との見方も示していた。
サイバーセキュリティー企業大手「ファイアアイ」によると、新型肺炎の感染拡大が始まった後の数カ月間、米国に対する中国からのサイバー上のスパイ活動が激増。「APT41」と呼ばれるグループは中国による近年のネットワーク侵入のスパイ活動の中で最も広範囲な活動の1つに関与したともした。
米英両国のサイバーセキュリティー担当部局は先週、新型肺炎への対応に当たる組織へのサイバー攻撃が続いているとの警告を発表。標的には学者や地方政府も含まれるとし、多大な個人情報や知的財産などの不正入手を再三狙っているともしていた。