言語の絶滅、救えるか 語学アプリで探る保存の道

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言語学習アプリ「デュオリンゴ」を共同で立ち上げたルイス・フォン・アン氏/ITU/CC

言語学習アプリ「デュオリンゴ」を共同で立ち上げたルイス・フォン・アン氏/ITU/CC

発明と再発明

デュオリンゴは、言語学習がゲーム化され、簡単に学ぶことができ(さらに無料であれば)、他の学習法に挫折した人でも続けられる、とのアイデアの下に開発された。スマートフォンとウェブのどちらでも利用可能で、ユーザーはわずか5分間のレッスンの中で、単語学習、短文の翻訳、会話や聞き取りの練習を行う。レッスンを終了するとポイントが与えられ、日、週ごとのランキングが発表される。

デュオリンゴの共同創設者ルイス・フォン・アン氏は、カーネギーメロン大学で教鞭(きょうべん)を執る傍ら、教え子である大学院生のセヴェリン・ハッカー氏と共同で同社を立ち上げた。フォン・アン氏はグアテマラ、ハッカー氏はスイス出身で、ともに米国で勤務しているが英語が母語ではない。しかし2人は、語学学習の機会を得ることにより、どれだけ収入がアップするかを身を持って体験していた。そこで両氏は、他のウェブサイトに翻訳サービスを提供することによって収入を得る無料の言語学習アプリを開発したいと考えた。

当初は、ネット上のコンテンツを翻訳しながら言語が学べるというのが同アプリのコンセプトだったが、この翻訳サービスを収入原とするビジネスモデルは長続きしなかった。人工知能(AI)が最もコストの安い選択肢として急速に人間の翻訳者に取って代わりつつあることに2人の共同創業者が気付いたからだ。

そこで2人は方針を転換し、言語学習に特化することにした。

同社は当初、潜在的なリーチやユーザーベースが最も大きく、収益性が最も高い言語に重点を置いた。この戦略が功を奏し、同社は、コースやプレミアム会員向けディスプレー広告の販売やさまざまなパートナーシップの構築により利益を上げた。

ヒッグス氏のメールは、まさに絶好のタイミングでデュオリンゴに届いた。当時、同社の一部の社員が、英語やスペイン語などの主要言語に特化する方針に疑問を抱き、プログラムを拡大し、より小規模な言語もサポートできないか検討している最中だった。

また、デュオリンゴに特定の言語の追加を要望するメールを送ったり、ある言語よりも別の言語を優先した開発者を非難するという行動に出たのはヒッグス氏だけではなかった。開発チームには、やり方さえ教えてくれればボランティアで新しい言語の学習コースを作成してもいいという申し出が殺到した。

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