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フランク・ロイド・ライト設計の犬小屋、12歳少年が依頼

建築家フランク・ロイド・ライトが設計した犬小屋

建築家フランク・ロイド・ライトが設計した犬小屋/COUNTY OF MARIN

著名な米国人建築家フランク・ロイド・ライトは、ペンシルベニア州の落水荘(らくすいそう)やニューヨークのグッゲンハイム美術館など、数々の象徴的な建物を設計したが、12歳の少年から手紙で依頼を受けて犬小屋を設計したこともある。

この少年、ジム・バーガー氏は、カリフォルニア州マリン郡サン・アンセルモで育った。マリン郡によると、バーガー氏の自宅は、バーガー氏の両親の依頼でライトが設計したという。そして1956年、当時12歳だったバーガー氏は、ライトに手紙を送り、当時飼っていたラブラドールレトリバーの「エディ」のための犬小屋の設計を依頼した。

バーガー氏はライトへの手紙に「簡単に建てられて、僕らの自宅に合う犬小屋を設計していただけたら幸いです」と書き、さらに「この犬小屋が欲しい理由は、主に冬に使いたいからです」と付け加えた。

ジム・バーガー氏がライトに犬小屋の設計を依頼した手紙/COUNTY OF MARIN
ジム・バーガー氏がライトに犬小屋の設計を依頼した手紙/COUNTY OF MARIN

バーガー氏は、エディの年齢について「実年齢は4歳で、人間の年齢に換算すると28歳」とし、さらに体の大きさは「体高が2.5フィート(約76センチ)、体長が3フィート(約91センチ)」と説明した。

設計料は、新聞配達で稼いだお金で支払うと伝えた。

ライトは、1956年6月28日付の返信の中で「エディの家(の設計)は良い機会だ」と述べ、さらに「いつか設計するつもりだが、今は忙しくて(犬小屋の設計に)集中できない。11月にアリゾナ州フェニックスの住所に手紙を送ってくれれば、何かしら設計をしてあげられるかもしれない」と付け加えた。

ライトがバーガー氏に設計図を送ったのはその翌年だった。封筒の裏に書かれた三角形の犬小屋の設計図で、バーガー氏に無料で提供された。その設計図には、傾斜のゆるい屋根や誇張された張り出しといったライトの作品全般やバーガー氏の自宅の特徴が盛り込まれていた。

建築ファンは、マリン郡シビックセンターでこの犬小屋の実物を見ることができる。マリン郡によると、この犬小屋は5月26日から同センターに常設展示されているという。このシビックセンター自体もライトが設計した中で最大級の建物だ。

マリン郡のシビックセンターに犬小屋が展示されている/COUNTY OF MARIN
マリン郡のシビックセンターに犬小屋が展示されている/COUNTY OF MARIN

しかし同センターに展示されている犬小屋は、エディが実際に使用した犬小屋ではない。バーガー氏の父ロバート氏と兄弟のエリック氏が、バーガー氏が陸軍に入隊した63年にこの犬小屋を建てた。バーガー氏がライトから設計図を受け取ってから6年後のことだ。しかしマリン郡によると、エディがこの犬小屋を使うことはなく、70年にバーガー氏の母グロリアさんが廃棄したという。

2010年にバーガー氏とエリック氏は、ライトの人生に関するドキュメンタリー「Romanza」の一環として、ライトの設計図を基に別の犬小屋を建て、16年にその犬小屋をマリン郡に寄贈した。

マリン郡によると、この犬小屋はライトが設計した最も小さな建造物だという。ライトはバーガー氏に犬小屋の設計図を送ったわずか2年後の1959年に死去した。

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