CNNのストリーミングサービス「CNN+」、今月末で終了

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CNNのストリーミングサービス「CNN+」が開始から1カ月で終了する/CNN

CNNのストリーミングサービス「CNN+」が開始から1カ月で終了する/CNN

ニューヨーク(CNN Business) CNNのストリーミングサービス「CNN+」が4月30日に終了する。CNN史上最も重要な展開の一つとうたわれてスタートしたが、1カ月での幕引きとなる。

CNN+利用者の料金は期間で案分して返還される。

CNNの以前の親会社ワーナーメディアは今月、米メディア大手ディスカバリーと合併し「ワーナー・ブラザース・ディスカバリー」となっていた。今回の決定は新経営陣が下した。

CNN+に対する旧経営陣のビジョンがワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーのデービッド・ザスラフ最高経営責任者(CEO)の計画と合わなかった。ザスラフ氏は同社のすべてのブランドを一つのストリーミングサービスに収めるプランを立てていた。CNN+の番組制作の一部はそうしたサービスを通じて残る可能性がある。他の番組はCNNの主要なテレビネットワークに移される。

ディスカバリーのストリーミング事業を率いるJ・B・ペレット氏は「複雑なストリーミング市場で消費者はシンプルさを求め、独立したサービスの提供ではなく、より良い体験と高い価値をもたらすオールインワンのサービスを欲している。会社にとっては、偉大なジャーナリズムや物語を伝えることへの将来の投資を進めるため、より持続可能なビジネスモデルが必要だ」との声明を出した。

ペレット氏はさらに「ストリーミングの分野で我々の目の前にはとても刺激的な機会が待っている。世界で評判の高い資産の一つであるCNNはそこで重要な役割を担っていくだろう」と続けた。

ペレット氏とCNNのクリス・リヒト次期CEOは21日午後、スタッフにこの決定を通知した。リヒト氏はスタッフに「極めてひどい状況だ」と率直に伝えた。

CNN+の数百人のスタッフは職を失う。リヒト氏は社内向けの文書で「CNN+のすべての従業員は給与の支払いが継続され、CNNやCNNデジタルなどワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー系列の事業で就業機会を探るために今後90日分の手当を受け取る」と述べた。社内で吸収されなかった人材は最低6カ月分の退職金を受け取るとしている。

リヒト氏はスタッフとの対話集会形式の会合で、「これは信じられないほどすばらしい成功した船出だった」と述べた上で、新たに合併した企業の計画と合わなかっただけだと説明した。

さらに「足をすくわれたのはあなた方の落ち度ではない」とも述べ、スタッフへの影響を最小限にとどめることを誓った。

会合に出席したCNN+のスタッフの一人は、その場の雰囲気は「完全なショック状態」で、その後絶望に変わっていったと述べた。

このスタッフは「最初、みな本当にぎょっとした」「その後会合が終わりに近づくにつれ、悲しみへと変わっていた。すべてのチームが互いにただ身を寄せ合っていた」とも語った。状況について率直に語るために匿名を希望した。

ペレット氏は会合の中で、CNNとワーナーメディアの「旧経営陣」への不満を口にした。CNNは2月までジェフ・ザッカー氏が、ワーナーメディアは今月初めまでジェーソン・キラー氏が率いていた。

ペレット氏は「このうちの一部は避けられるものだった」ものの、合併が目前と迫る中、従来の計画通りCNN+の3月開始で「旧経営陣は進め続ける決定を下した」と述べた。

CNN+は両社の合併が完了するわずか2週間前に開始したが、ディスカバリー経営陣はこれに憤慨した。同社経営陣は異なる戦略を描いていたが、合併が正式となる以前にはCNN幹部との法的な意思疎通ができなかった。

ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーは数十億ドルの負債があり、その多くは合併取引に起因している。経営陣はウォールストリートが期待する30億ドルの貯金を確保するプレッシャーにさらされている。

CNN+とCNNのデジタル事業全体を統括するエグゼクティブ・バイス・プレジデントで、キラー氏やザッカー氏と緊密に連携していたアンドリュー・モース氏は、移行期間終了後に会社を離れる。

モース氏は従業員向けのメッセージで、CNNでの9年間はすばらしい旅だったとした上で、「会社が刺激的な変革の時期を迎える中、新たな経営陣が未来に描くビジョンと我々が抱いていたものが違うことが明確となった。それは構わない。それもすべて変革の一部だ」と述べた。

リヒト氏は従業員との会合で、モース氏には残って欲しかったが、同氏の意思を尊重すると語った。

会社の発表によると、CNN+のプロダクト責任者でゼネラルマネジャーのアレックス・マッカラム氏が今後CNNデジタルを運営し、「これからの経営陣の戦略決定のために」リヒト氏と連携していく。

21日午後には、CNNのニューヨーク本部があるハドソン・ヤーズ16階で働くCNN+の従業員がウイスキーやワインを手に慰め合う光景が見られた。

CNN+を開始後数週間で閉鎖する決断は、この新サービスの驚くべき幕切れを示すものとなった。幹部らは従来、テッド・ターナー氏による1980年の創業以来、最も重要な新事業になるとうたっていた。

CNNはCNN+のアプリに既に数億ドルを投資し、NBCのケイシー・ハント氏やFOXニュースのクリス・ウォレス氏など他のネットワークからトップ級の人材を招いていた。

CNN+は毎日数時間の生放送番組や週ごとの番組を売りとしていた。番組の配信は今月終わりまで継続する。

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