五輪スポンサー担う朝日新聞、社説で五輪の中止を訴え

五輪スポンサーの朝日新聞、社説で五輪の中止を訴え

香港/東京(CNN Business) 日本で新型コロナウイルスの流行が続く中、東京五輪のスポンサーで日本を代表する新聞が26日、大会の中止を訴える社説を掲載した。

朝日新聞は社説で、菅義偉首相が「国民の声」を無視して五輪を開催しようとしていると批判した。同紙は発行部数が日本で2番目に多く、東京五輪のオフィシャルパートナーとなっている。

社説では「この夏にその東京で五輪・パラリンピックを開くことが理にかなうとはとても思えない。人々の当然の疑問や懸念に向き合おうとせず、突き進む政府、都、五輪関係者らに対する不信と反発は広がるばかりだ」との見解が示された。

だが同紙を保有する朝日新聞社は、社説は同社の姿勢を表明したものではなく、五輪スポンサーとしての活動は続けると述べた。

同社は声明で、2016年1月に大会組織員会とオフィシャルパートナーの契約を結んで以来、オフィシャルパートナーとしての活動と言論機関としての報道との間には線引きをすると同社が約束してきたと説明。朝日新聞が五輪関連の事柄に公正な観点から報道をする点に変化はないと述べた。

同紙は日本で左派寄りの新聞として知られ、保守系の自民党に批判的な論調が目立つ。

「冷静に、客観的に周囲の状況を見極め、今夏の開催の中止を決断するよう菅首相に求める」とも社説は言い添えた。

日本ではこの社説が話題となり、政治家を含む何人かの著名人が反応した。

立憲民主党の蓮舫参議院議員は「オフィシャルパートナーとして五輪スポンサー契約を結ぶ朝日新聞の一本社説、本気を感じます。他のスポンサーの動きも注視」とツイートした。

今回の社説は政府に対し今夏の五輪開催を再考するように求める声の高まりを反映している。新型コロナウイルス感染症の症例数がこの数カ月間で増え、大規模な国際大会の開催に伴う安全性に懸念が生じている。東京五輪は7月23日に開幕を予定する。

ビジネス界からは一握りの著名なリーダーから大会開催への懸念の声が上がっている。楽天の三木谷浩史会長兼社長は今月、CNN Businessに対し、日本が大会を開くことは「自殺行為」となるだろうと述べ、「リスクが大きすぎる」と発言。日本政府のコロナ対応は「10点中2点」との評価を下した。

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は数日前にツイッターで、「国民の8割以上が延期か中止を希望しているオリンピック」と述べ、「IOC(国際オリンピック委員会)に開催の決定権があるのか」と疑問を投げかけた。また変異株のまん延や失われる命などを考えると「もっと大きな物を失うと思う」とも述べた。

五輪スポンサーのトヨタは今月、大会前に国民の不満が選手に向けられている状況に懸念を表明した。トヨタはスポンサーの最高位である「ワールドワイドオリンピックパートナー」を務める14社のうちの1社。

大会運営側は、大会が安全、安心に開催できると自信を持っていると繰り返す。IOCの最古参委員、ディック・パウンド氏はCNNとのインタビューで、「大会の企画、運営関係者はだれ一人として中止を検討していない。議題から外れている」と述べた。

朝日新聞社は国内のオフィシャルパートナーで、トヨタとは異なるレベルのスポンサーとなっている。朝日新聞は国内で広く読まれ、2020年の発行部数は1日約500万部。

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