英歌手ダフィーさん、レイプ被害の詳細を公表
ロンドン(CNN) 英ウェールズ出身の女性歌手ダフィーさんがこのほど、過去に受けたというレイプ被害や監禁などの行為の詳細を公表した。レストランでドラッグを使用され、国外へ連れ出されたといった衝撃的な内容が明らかになっている。
ダフィーさんは今年2月、インスタグラムへの投稿でレイプ被害に遭っていたことを告白していた。今回被害の実態を公表することについて、自身のウェブサイトで、感情の重荷から自らを解放するとともに、「同じ目に遭った」人たちの力になることが目的だと語った。
同サイトの冒頭には読者に向け、内容に関する注意喚起のほか「他者の苦しみを受け止める」のが難しい人は閲覧しないよう呼び掛けるメッセージが記されている。
ダフィーさんは本文で、「その日は私の誕生日だった。レストランでドラッグを使われた。ドラッグの使用はそれから4週間続き、私はよその国へ連れていかれた。飛行機に乗った記憶はなく、気が付くと走る車の後部座席にいた」とつづった。
さらに「ホテルの一室に閉じ込められ、戻ってきた加害者にレイプされた。その時の苦痛は忘れられない。意識を失わないようにこらえていた」と続けた。
その後、安全なところへ「逃れた」としているが、どのような経緯で監禁状態を脱したのか、詳細は明らかにしていない。「家に帰りつく際の記憶もない」という。
ダフィーさんの代理人はCNNに対し、これ以上の具体的な内容を説明することを控えた。
ダフィーさんは歌手としてのキャリアが終わりかねないとの不安などから被害に遭ったことを伏せていたが、内容を公開すると脅迫されたのを契機に警察へ被害を届け出た。加害者の身元については「警察だけが扱うべき」として、公表を避けている。
ほぼ10年間、「完全に孤独」な状態で過ごしたというダフィーさんだが、現在そうした年月は過去のものになり、自由を感じることができていると語る。つらい記憶を乗り越える手助けをしてくれた心理学の専門家に対しても、今回の発表を通じて感謝の言葉を述べた。
ダフィーさんは2009年、ヒット作のアルバム「ロックフェリー」でグラミー賞の最優秀ポップ・ボーカル・アルバムを受賞した実績を持つ。翌年に2枚目のアルバムをリリースした後は音楽シーンからほとんど姿を消していた。