転換期迎えたジブリ 鈴木敏夫氏が今後を語る

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ジブリ美術館にはジブリ作品に登場するキャラクターの像などがある=DANIEL FANDINO氏提供

ジブリ美術館にはジブリ作品に登場するキャラクターの像などがある=DANIEL FANDINO氏提供

アニメ文化の研究者、ヘレン・マッカーシー氏によれば、手描きの技をここまで磨き上げることができたのは、同社が同じアニメーターを長年雇い続けてきたからだ。多くのスタジオでは、作品ごとの短期契約でスタッフを採用するのが通例となっている。

しかしジブリ専属スタッフの高齢化とともに、次世代へのバトンタッチが必要になってきた。

ジブリの2大監督といわれた宮崎氏と高畑勲氏はともに70代だ。「ジブリはバイオリンの名器のようなもの。それを弾いてきた2人の名演奏家が引退したら、次の演奏家が弾き続けなければならない。楽器のメンテナンスには高額の費用がかかる」と、マッカーシー氏は話す。

ジブリでは宮崎氏の長男、吾朗氏(47)、米林宏昌氏(41)の両若手監督が制作を続けていくという。しかし、両氏の作品の興行成績は今のところ、駿氏の作品に遠く及ばない。

駿氏の「千と千尋の神隠し」(01年)は300億円超の興行収入を記録し、米アカデミー賞の長編アニメ賞を受賞した。引退作の「風立ちぬ」も興行収入120億円のヒットとなった。

これに対して、米林氏の新作「思い出のマーニー」の興行収入は30億円台にとどまる見通し。吾朗氏の「コクリコ坂から」(11年)は約45億円だった。

鈴木氏はインタビューで「夢の会社を作りたかった」「それがある程度実現できた」と振り返ったうえで、今後の方針を考える時期がやってきたとの認識を示した。

マッカーシー氏はジブリの手描きアニメという伝統について、「それに伴う高いコストや手描きのスタッフの必要性を観客が受け入れ続ける限り存続できるだろう」と話している。

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