海面上昇は「年々加速」、衛星データで確認 米研究

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グリーンランドや南極ではすでに氷床が不安定になっている兆候がみられるという

グリーンランドや南極ではすでに氷床が不安定になっている兆候がみられるという

(CNN) 地球の海面を人工衛星で観測したデータから、気候変動によるとみられる海面上昇が年々加速していることが確認された。米コロラド大学ボルダー校の研究者らが12日、米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表した。

従来の潮位測定機器が沿岸部に設置されているのに対し、衛星を使えば外洋の測定が可能になり、より正確なデータを得ることができる。

同校で航空宇宙工学を研究するスティーブ・ネレム教授らのチームが1993年までさかのぼって衛星データを分析したところ、海面はこの25年間で計7センチ上昇していることが確認された。これは、一般に指摘されている年間約3ミリのペースとほぼ一致する数字だ。

しかしチームによると上昇のペースは一定でなく、年々加速している。ネレム教授は、グリーンランドや南極で進む氷の融解が加速の主な原因だと指摘。2100年までの上昇幅は、平均のペースが続くとすれば約30センチと予想されるが、融解が加速した場合はその2倍以上となり、60センチ以上に及ぶ可能性があると主張する。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書でも、温室効果ガス排出量がこのまま変わらなければ、2100年までに海面が52~98センチ上昇するというシミュレーション結果が出ている。

海面が65センチ上昇すると、沿岸部の都市を襲う高潮などの災害は爆発的に悪化する恐れがある。

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