世界最大級の野生生物横断橋、米LAで建設進む 高速道路通行止めに
(CNN) 米カリフォルニア州ロサンゼルス郡で「世界最大の野生生物横断橋」建設工事に伴い、15日から高速道路101号線が片側ずつ平日の夜間通行止めとなる。
サンタモニカ山脈とサンタスサナ山脈のシミヒルズを結ぶ横断橋は、ピューマなどの野生生物が高速道路の10車線をまたいで安全に移動できるよう、カリフォルニア州運輸局が建設を進めている。
建設工事は2022年4月に着工。25年の完成を目指して横断橋を土や植物で覆い、周辺の自然環境に溶けこませる。
当局によると、高速道路は動物の移動を妨げ、繁殖に影響を及ぼしている。
公式サイトによれば、完成すれば野生生物のための横断橋としては世界最大規模になり、「都会の野生生物保護の世界的なモデル」の役割を果たす。
15日からは、101号線のアゴウラヒルズ区間で南行きの全車線が平日の午後11時59分から約5時間にわたって通行止めになる。工事が進めば次は北行きの車線を通行止めとする。
米国立公園局によると、横断橋はピューマに加えてコヨーテ、ボブキャット、シカ、ヘビ、トカゲ、カエル、アリなどの利用も想定している。
中でも一般的に240キロ~320キロの縄張りを持つピューマは、ロサンゼルスでは生息地が高速道路で分断されて「都会の島」と化し、近親交配が起きて遺伝子の多様性低下が問題になっていた。
かつてサンタモニカ山脈で生まれたピューマが、交通量の多い幹線道路を横断してロサンゼルス郊外に取り残され、車にはねられて負ったけがのために安楽死させられたこともあった。