産乳量が異常に多い「スーパー乳牛」、3頭のクローン作成に成功 中国報道
香港(CNN) 中国国営メディアは、同国の研究チームが産乳量の異常に多い「スーパーカウ」3頭のクローン作成に成功したと伝えた。輸入への依存状態解消に向け、酪農業界にとっての画期的成果と位置付けている。
国営寧夏日報によると、3頭のクローン子牛は西北農林科学技術大学が寧夏地方で誕生させた。
クローンはオランダを原産国とするホルスタイン・フリーシアン種の生産量の高い個体から作成された。産乳量は年間18トン、生涯では100トンに上る。
米農務省によると、これは米国の乳牛の平均乳量のほぼ1.7倍に当たる。
地元当局者が国営メディアに語ったところによると、クローン牛の最初の1頭は12月30日、体重56.7キロと比較的大型だったことから帝王切開で生まれた。
研究チームは牛の耳の細胞からクローン胚(はい)120個を作成し、代理母牛に移植した。
国営英字紙グローバル・タイムズによると、中国で生涯に100トンの牛乳を生産できる牛は1万頭のうち5頭にとどまる。しかし寿命が終わりに近づくまで生産性の高い牛を見極められないこともあり、繁殖は難しかった。
中国は乳牛の最大70%を海外から輸入している。
研究者は「2~3年かけてスーパーカウ1000頭あまりで構成する群れを作り、乳牛の海外依存と、(サプライチェーンの混乱によって)『窒息』するリスクの問題に対応するための確実な基盤とする」と同紙に語った。
農家は米国など多くの国で、産乳量の増大や病気に対する耐性といった特徴を持たせるために、クローンを繁殖させている。