クマの足跡とみられていた謎の化石、未知の人類の祖先のものか 研究

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新たに調査した足跡(左)とアウストラロピテクス・アファレンシスの足跡(右)/Jeremy DeSilva/Eli Burakian/Dartmouth

新たに調査した足跡(左)とアウストラロピテクス・アファレンシスの足跡(右)/Jeremy DeSilva/Eli Burakian/Dartmouth

(CNN) タンザニアのラエトリ遺跡で1970年代に見つかった足跡の化石について、未知の人類の祖先のものである可能性を指摘する論文が、英科学誌ネイチャーに1日発表された。従来はクマの足跡だとみられていたが、再発掘して調査した結果、未知の人類の祖先に属する可能性が示されたという。

タンザニアでは1978年、366万年前のものとされる足跡化石が見つかり、これが人類の系統樹における直立歩行の最古の争いのない証拠と広く考えられていた。ラエトリ遺跡の「遺跡G」で見つかったこの足跡は一般に、有名な骨格化石「ルーシー」と同じくアウストラロピテクス・アファレンシスに属すると見られている。

研究者が当時発見した足跡化石は遺跡Gだけではなく、約1.6キロ離れた「遺跡A」でも足跡が見つかっていたが、こちらは後ろ脚で直立歩行する若いクマのものとされてきた。アウストラロピテクス・アファレンシスが残した足跡とは大きく異なっていたためだ。

研究者らは今回、遺跡Aの足跡について、やはり2本脚で歩く別の人類の祖先のものだった可能性があるとの見方を提示。人類の歴史の一部を書き換える可能性のある発見となった。

論文の共著者を務めた米ダートマス大学のジェレミー・デシルバ准教授は「これらの足跡は直立歩行の進化が従来の見方よりも複雑で興味深いことを示す」ものだと語る。

「進化の歴史のこの時点においては、歩き方や足の形が異なる少なくとも2種類のホミニン(ヒト族)が存在していた。人類のような歩き方の獲得に至る道は多くの人が想像するほど直線的ではないことを示している」(デシルバ氏)

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