絶滅と思われた極小カメレオンの生息を確認、危機は変わらず マラウイ

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体色を変化させることで仲間同士のコミュニケーションもとっているとみられる/Krystal Tolley

体色を変化させることで仲間同士のコミュニケーションもとっているとみられる/Krystal Tolley

92年に初めて紹介された後、大規模な森林伐採の兆候を見て取った研究者らは種の保護を念頭に、ピグミーカメレオン37匹を別の森林地帯に放った。2001年と12年に現地を調べた際にはまだこれらのカメレオンは生息していたが、14年の調査では1匹の存在も確認できず、絶滅した可能性があると考えられていた。

しかし16年、今回の論文の著者らが3カ所の森林地帯で夜間の調査を実施したところ、1カ所目の小道沿いに大人のカメレオン7匹、そこから南西約6キロのところで10匹、さらに98年に37匹を放った森で大人21匹と子ども11匹が生息しているのを発見した。

サンプルのDNAを解析すると、それぞれの場所で見つかったカメレオンの間には、遺伝子構造上の著しい相違が認められた。論文著者らはこの点について、伐採の影響で近接する森林地帯に住むカメレオン間の繫殖能力が阻害されていることを示唆すると指摘。つがいの相手の選択肢が減り、絶滅の危険が増すとして、前出のトリー氏は森林保護のための取り組みが急務だと強調した。

一方、米サンフランシスコ州立大学で生物学を研究するエリック・ロートマン名誉教授は遺伝子上の相違について、伐採以前のデータを分析していない以上、環境の変化に起因するものだとは結論できないとの認識を示している。同名誉教授は今回の論文に関与していない。

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