南極の棚氷から氷山が分離、米NY市を超える面積

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「ノース・リフト」と呼ばれる亀裂の上空を飛ぶ航空機=1月/British Antarctic Survey via AP

「ノース・リフト」と呼ばれる亀裂の上空を飛ぶ航空機=1月/British Antarctic Survey via AP

(CNN) 南極にある英研究基地の近くで、米ニューヨーク市を超える面積の氷山が棚氷から分離した。

英南極調査所(BAS)の発表によると、ハリー研究基地のあるブラント棚氷から、面積1270平方キロの氷山が分離した。同基地は南極の冬入りにともなって閉鎖され、12人のスタッフも今月初めに退去していた。

厚さ150メートルの棚氷には大きな亀裂があり、数年前から氷山の分離が予想されていたという。

昨年11月に「ノース・リフト」と呼ばれる新たな亀裂が別の大きな亀裂に向かって伸び始め、先月は1日に1キロずつ進行。今月半ばの空撮ビデオでは、目が届く限りの長さに達していた。

26日午前に割れ目が数百メートルまで広がり、氷山が切り離された。

BASのフランシス所長によると、棚氷の状態については毎日、自動の高精度GPS(全地球測位システム)網と衛星画像のデータが英ケンブリッジ大学へ送られ、基地に人がいなくなる冬の間も観測を続けられるようになっている。南極の冬は太陽が昇らず、気温は零下50度まで下がる。

BASは氷山の分離に備え、2016年にハリー研究基地を内陸へ移動させていた。スタッフは17年以降、夏の間だけ滞在する態勢を取ってきた。

南極では17年にラーセンCという棚氷が割れて、さらに大きな氷山が出現。この氷山は漂流し、昨年末に外洋へ出た。

BASは今回の現象について、ラーセンCから分離した氷山との関連はなく、気候変動が影響した証拠もみられないと述べた。BASは今後、新たな氷山が離れていくのか、棚氷の近くにとどまるかを観察する構えだ。

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