南極融解、対策皆無なら深刻な脅威に 科学者がシナリオ提示

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南極の氷が解けることで想定される脅威を科学者らが分析した

南極の氷が解けることで想定される脅威を科学者らが分析した

(CNN) 南極海氷の大規模な融解を食い止めるために何も策を講じなければ、海水面が上昇し、沿岸部のあらゆる国が洪水の深刻な脅威にさらされる可能性がある――。南極や周辺海域の研究に長年取り組んできた科学者9人が、そんな論文を13日の英科学誌ネイチャーに発表した。

2070年までにあり得るシナリオとして、悲観的なものと楽観的なものの2つを提示している。

今回の論文は予測というよりも推測の色合いが濃い。2つのシナリオに関しても、データに基づく議論のたたき台という面が大きいという。

最初のシナリオによると、温暖化ガス排出の低減に向けた措置を何も講じず、地球温暖化がこのまま進行した場合、南極海と南極では大規模な融解が起こる可能性がある。海氷のおよそ4分の1が2070年までに消滅する恐れがあるとしている。

海氷が融解すれば、地球全体での海面上昇につながりかねない。最悪のケースでは、2070年までにおそらく、海面が2000年に比べ0.5メートル上昇する。

ペンギンの生息数は大幅に減少し、海鳥やアザラシなども大量死する可能性があるという。

一方、楽観的なシナリオでは、世界が協力して汚染対策を優先事項とし、温暖化ガス排出の低減に動いた場合、2070年になっても南極の様子は現在とそれほど変わらない可能性もあると予想している。氷床は薄くなるが、海洋の酸性化と同様、そのペースは鈍ると見込まれる。

影響を受けやすい生物種の一部は生息数が減少するものの、中には環境変化に適応できる種も出てくる。海氷が安定化することから、極端な現象が起きてアザラシや海鳥に被害を及ぼす頻度は下がる可能性があるという。

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