「世界一黒い物質」でできたパビリオン、冬季五輪に登場

2018.02.12 Mon posted at 17:24 JST

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(CNN) 冬季オリンピックが開かれている韓国の平昌で、「世界一黒い物質」と呼ばれるベンタブラック派生素材を塗装に使った建物が披露された。

世界一黒い建物「ヒュンダイ・パビリオン」を手がけたのは英国の建築家アシフ・カーン氏。光の99%を吸収する素材でビルを塗装し、超暗黒効果を実現した。

カーン氏が「宇宙の分裂」と呼ぶ同パビリオンは、曲線状の4面の壁に何千もの小型ライトを散りばめて星空を表現した。五輪開幕を前にカーン氏は、「ビルに近付くと星空が視界全体を覆い、中に入る時は黒い雲に吸収されるような感覚になる」と解説。純白の冬季五輪とは対照的な黒さで「無限の空間と可能性」を体感してもらうことによって、訪れる人に哲学的経験を味わってほしいと話している。

塗装に使ったのは、ナノ素材のベンタブラックから派生した「ベンタブラックVBx2」と呼ばれる素材。ベンタブラックは人工素材の中では世界一黒いといわれる物質で、あまりに黒すぎて脳が識別できず、人の目では見分けることができない。

ブラックホールに最も近いとも言われるのは、ベンタブラックが色を持っているのではなく、色をほぼ完全に吸収してしまうことによる。

英サリー・ナノシステムズ社が4年前にこの物質を開発して以来、同社にはデザイナーや建築家、航空宇宙技術者などからの問い合わせが殺到している。

ギターの塗装に使いたいというミュージシャンンや、車を塗装したいという人のほか、この物質を食べるところを動画で撮影してユーチューブに投稿したいという問い合わせもあったという。

もちろんベンタブラックは食用には適さず、皮膚に刺激を与えることからベンタブラックドレスも実現しなかった。

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