中性子星の衝突、重力波で初観測 光と重元素も放出

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「キロノバ」という爆発現象により、金やプラチナなどの重元素が宇宙に拡散するという

「キロノバ」という爆発現象により、金やプラチナなどの重元素が宇宙に拡散するという

研究チームはカリフォルニア大学のサンタクルーズ天文台とカーネギー天文台の共同研究を通じ、衝突直前と衝突中、衝突後のデータを収集して詳しい調査を実施。その結果、中性子星の衝突によってガンマ線バーストが起きることや、天体の衝突によって重元素が生成されることが確認された。さらに、衝突する際の中性子星の状態を観測でき、重力波と光が同時に放出されることも分かった。

「この1回の出来事で、そうした問題が全て解決され、全ての謎がまとめて解き明かされた」(カーネギー天文台のトニー・パイロ氏)

中性子星は、超新星爆発(スーパーノバ)の後に残る宇宙で最も小型の天体で、直径は米シカゴやアトランタの面積ほどしかない。しかし密度は異常に高く、太陽の密度を上回る。太陽をシカゴの面積ほどの大きさに圧縮したような天体同士がぶつかれば、「放出されるエネルギー量は、太陽が一生涯で放出するエネルギー量を超す。今回はそれが、わずか数十秒の間に放出された」とパイロ氏は解説する。

今後は、衝突した2つの中性子星がブラックホールを形成するのか、それとも大型の中性子星になるのかを見極めたい意向。研究チームは最新の研究から、ブラックホールになる説に傾いているという。

LIGOとVirgoの観測施設では今後一層感度を高め、何千万もの銀河について同じような現象を探求する計画。

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