米レンタカー大手ハーツ、CEO交代へ EV「ホラーショー」の混乱続く

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ハーツの電気自動車を見学する男性/Brendan McDermid/Reuters

ハーツの電気自動車を見学する男性/Brendan McDermid/Reuters

ニューヨーク(CNN) 米レンタカー大手ハーツの混乱が止まらない。1月に保有する電気自動車(EV)の3分の1に相当する約2万台を売却すると発表した同社が、今度は最高経営責任者(CEO)を交代すると明らかにした。わずか4年で5人目のトップが就任することになる。

ハーツによれば、上記のEVの導入に寄与した現在のシェアCEOは今月末で辞任する。シェア氏は米投資銀行ゴールドマン・サックスで30年近く勤務した後、2年前からハーツの経営を担っていた。後任には米デルタ航空や米ゼネラル・モーターズ(GM)で幹部を務めたジル・ウェスト氏が就く予定。

直近の四半期決算で、ハーツの利益は売却を進めるEVの価値の下落により2億4500万ドル(現在のレートで約365億円)の減少を計上していた。

昨年米国で購入されたEVの台数は40%増加し、100万台を突破したが、需要の規模はEVシフトを進める自動車メーカー各社の期待を下回った。米国でのEV販売を牽引(けんいん)するテスラは約1年前にEV向けの価格競争を開始。これを受け新車、中古車共にEVの価格は低下した。ハーツが運用するEVのおよそ8割はテスラ車が占める。車両を中古車市場で販売する際にも利益が目減りし、最終損益に打撃を与えた。

ウェドブッシュ証券のアナリストでEV市場を担当するダン・アイブス氏は、「(ハーツによる)EVの事業遂行とマーケティングは全般にわたってホラーショーだった」「この痛手から、同社は回復できなかった」と述べた。

EVを購入して自宅で充電するのとは異なり、充電設備が必ずしも確保されていない現状もEVのレンタルが敬遠される問題の一部だったとアイブス氏は指摘する。自社のレンタル事業所に充電設備を一切設置しなかったことで、ハーツは自らのビジネスに悪影響を与えた可能性があるという。

車両の価値下落以外にも、ハーツはEVの事故修理に悩まされてきた。EVの修理にかかる費用は従来の内燃機関の車両のおよそ2倍に相当すると、シェアCEOは昨年の投資家との電話会議で明かしている。

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