「戦略メープルシロップ備蓄」を放出へ、市場で不足 カナダ
ニューヨーク(CNN) カナダが市場で不足するメープルシロップへの対応として、戦略備蓄を放出する。
業界団体のケベック・メープルシロップ生産者協会(QMSP)は戦略メープルシロップ備蓄の半量近くに相当する約5000万ポンド(約2万3000トン)を放出すると発表した。
政府からの支援を受けるQMSPは「メープルシロップのOPEC(石油輸出国機構)」とも呼ばれ、備蓄をメープルシロップの価格や供給のコントロールに利用する。
昨年時点でケベック産のメープルシロップは世界生産の73%を占める。最大の顧客は米国で、カナダの輸出量の約6割を占めている。
戦略備蓄が設置されたのは不作時や需要急増時の在庫確保が目的だった。今はそれに該当する時期で、暑くて短い夏が原因で生産量が低めとなっている。歴史的に見れば今年のケベック州の生産量1億3300万ポンド(推定値)は平均的な水準に収まったが、売り上げは前年比21%増となり、供給がひっ迫する状況にある。
QMSPは米ブルームバーグ通信に対し、「人々が自宅で料理をする機会が増え、地元の製品をより多く使うようになったため、ウイルスの流行は我々の場合追い風となった」との認識を示し、需要増はケベック州だけにとどまらないと説明した。