富裕層でなくても宇宙競争でもうける、「宇宙ETF」とは?
ニューヨーク(CNN Business) 一般の人が米アマゾンのジェフ・ベゾス前最高経営責任者(CEO)のように宇宙に飛び立つのはまだ不可能かもしれない。だが、宇宙探査をめぐる熱狂は、地球に縛り付けられた普通の投資家にとっても無縁ではない。
宇宙への関心の高まりを背景に、複数の公開企業や上場投資信託(ETF)が値上がりしているのだ。
ベゾス氏は20日、自身の手掛けるブルーオリジン社の宇宙船で飛び立った後、着陸に成功。その9日前には、同じく富豪実業家のリチャード・ブランソン氏も大きな注目を集めた宇宙飛行を行った。
2019年に登場し、「UFO」のティッカーシンボルで取引される「プロキュア・スペースETF」は、ブランソン氏の宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティックを最大の投資先としている。このETFは年初来で14%、過去12カ月では40%以上の上昇を見せた。
「このファンドへの関心が今年高まっているのは確実だ。ヴァージン社による先週の打ち上げを前に、多くの人から投資があった」。UFOファンドのマネジャーで、プロキュア社の最高経営責任者(CEO)を務めるアンドリュー・チャニン氏はこう語る。
もちろん、ブルーオリジンやスペースXは非公開会社なので、UFO ETFは両社の株は保有していない。
チャニン氏はCNN Businessに対し、UFOはパッシブ運用、つまり指数に基づく運用を行っていると説明する。この場合、連動対象となる指数は、宇宙投資サービスという会社のつくった「Sネットワーク宇宙インデックス」になる。
宇宙経済
チャニン氏によると、インデックスマネジャーが着目するのは、裕福な旅行者を宇宙に送り込むことを目指す企業だけではない。宇宙への打ち上げによる実際の売り上げは、通信衛星やインターネットサービス衛星の利用増加から生まれる可能性が高い。
このため、UFOはヴァージン・ギャラクティックを主要な組み入れ銘柄としているものの、他の上位銘柄は宇宙旅行とは関係がない。