職場での女性差別問題、「三人っ子政策」で悪化の恐れ 中国

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「二人っ子政策」を促す看板=2017年3月/Huang zhenghua/Imaginechina/AP

「二人っ子政策」を促す看板=2017年3月/Huang zhenghua/Imaginechina/AP

過労は、世界の多くの国々の働く母親たちが直面している問題だが、中国では伝統的な男女の役割分担により、家事や育児の大部分を女性が担っており、それが働く母親の過労問題をさらに悪化させている。

中国は16年に一人っ子政策を廃止したが、それでも出生率は上がらず、それ以来、ジェンダー不平等はさらに悪化したようだ、とHRWの報告書は指摘している。

そこで中国政府は国営メディアなどを通じて、女性に在宅や出産を促す宣伝活動を開始した。その結果、女性に対する出産の圧力は増したが、女性たちは自分たちの仕事をなんとかこなす一方、出産のための支援はほとんど受けられていないのが現状だ、とチェン氏は指摘する。

17年に米科学誌「セックス・ロールズ」に掲載された記事の中で、中国の研究者らは、この変化は中国の経済改革とそれに伴うジェンダー・イデオロギーの変化を反映していると述べている。

その研究者らによると、中国では中央集権的社会主義体制から市場経済への移行に伴い、効率性がより重視されるようになったという。同時にイデオロギーの変化により、女性たちは家庭に戻され、夫や子どもたちの世話を強いられた。

国が提供する福祉の減少により、伝統的な家父長制と男女間の役割分担が復活し、それが今日われわれが目にする職場内差別にも反映されている、と研究者らは述べている。

妊娠を理由とした解雇

ジェンダー不平等は、職場でも顕著に見られる。HRWや中国国営メディアの報道によると、中国では企業があからさまに差別的な雇用要件を設けていたり、妊娠した従業員を解雇したり、従業員に子どもを持つことを思いとどまらせるための策を講じたりするケースが散見されるという。

ある中国企業の人事部長が今年2月に中国共産主義青年団の機関紙「中国青年報」に語ったところによると、多くの採用担当者は男性の履歴書を求めており、女性は仮に採用されても低賃金で昇進が困難な「補助職」に追いやられるのが一般的だという。

またHRWの報告書によると、一部の企業では、出産適齢期の女性従業員は、出産休暇の順番が回ってくるまで出産を待つように言われ、「予定」よりも早く妊娠した場合は解雇や処罰される可能性があるという。

17年の中国青年報の記事によると、山東省のある女性は、契約で定められた時期よりも早く第2子を出産したために雇用主から約3万3000円の罰金を科された。ただ、そのような契約は法律で禁じられており、その女性が支払った罰金は返金されたという。

従業員がそのような契約に署名しなくても、妊娠後に、ほとんど説明もなく窓際に追いやられたり、降格や解雇を言い渡されたりすることもある。

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