主要生産地で30年ぶりの霜被害、フランスのワイン産業に打撃

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ブドウの木を見回るワイン生産者=12日、フランス西部ナント近郊/Sebastien Salom-Gomis/AFP/Getty Images

ブドウの木を見回るワイン生産者=12日、フランス西部ナント近郊/Sebastien Salom-Gomis/AFP/Getty Images

ロンドン(CNN Business)  フランス全土で今月上旬、この季節としては異例の霜が観測され、ブドウ畑に大きな被害が出ている。ただでさえコロナ禍や米国の関税の影響がのしかかるフランスのワイン業界にとって、さらなる打撃となりかねない。

欧州のワイン業界団体によると、ブドウ畑の霜被害はフランスのワイン生産地の80%に及び、地域によっては産出量の25~50%減少が見込まれている。

ローヌ地方にあるワイン生産地コルナスのアンヌ・コロンボ代表によれば、被害はローヌ渓谷、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、プロバンス、ロワール渓谷に広がっているという。

「地域によってはブドウがものすごく少なくなるだろう」と同氏は予想、コルナス地方の霜被害は過去50年あまりで最悪だったと言い添えた。

ワイン生産者はブドウ畑に置いたロウソクなどに火をともして気温の低下を防ごうとしたが、多くの場合、発芽したばかりのブドウを守ることはできなかった。

ボルドーワイン団体の広報は、「収穫量の相当部分が失われた。まだ割合を推定するのは時期尚早だが、いずれにしても、被害に遭ったワイン生産者にとっては悲劇だ」と肩を落とす。

農業団体は先週の次点で、ビーツや菜種などの作物も霜被害に脅かされていると述べていた。

フランスのジャン・カステックス首相によると、天候によって農作物にこれほどの被害が出たのは1991年以来。政府報道官は14日、地域によっては特定の作物で年間生産量のほぼ全てが失われた可能性があるとの見方を示した。

フランス農業食糧省は農家の支援策を打ち出し、政府は12日に金融機関や農業団体の緊急会合を招集して追加支援対策について協議した。

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