ボーイング、200人削減 トランプ氏が雇用維持掲げた工場
ニューヨーク(CNNMoney) 米航空大手ボーイングは22日、CNNMoneyの取材に対しサウスカロライナ州の工場で約200人をレイオフ(一時解雇)すると認めた。この工場は今年2月、トランプ米大統領が米国の雇用を守ると約束する演説を行った場所だ。
同工場でレイオフが行われるのは、2009年にボーイング787型機の製造が始まって以来初めて。
2月にこの工場を訪れたトランプ大統領は、組み立てを行う労働者や管理職、経営幹部らに向かい、「私があなた方の大統領としてここに立っている主な理由の1つは雇用(を守ること)だ。私はけっしてあなた方を失望させたりしない」と語っていた。
ボーイングは3月、ワシントン州の商用機工場でのリストラ計画を発表。この時、関係者は対象となるのは500人未満だとしていた。
これらの人員削減は、昨年12月に発表した全社レベルでのリストラ計画の一環。この時はライバルの欧州エアバスとの激しい競争や、新規受注の落ち込みが背景にあると説明している。
コスト削減のための人員整理は主に早期退職制度や自然減という形で、すでに今年初めから始まっていた。
リストラの理由についてボーイングは、航空会社への納入価格の引き下げで売り上げが落ちていることや、ウォール街対策として利幅を引き上げる必要があることを挙げている。
2月時点のボーイングの従業員数は世界で約14万7700人。その約半数が商用機部門で働いている。
現時点でホワイトハウスからのコメントは得られていない。