中国、ロッキードとレイセオンに制裁 気球事件の米対応に報復宣言した翌日

英海軍の空母クイーン・エリザベスに搭載されたロッキード・マーティンのF35戦闘機=2021年10月11日、シンガポール・チャンギ海軍基地/Edgar Su/Reuters/FILE

2023.02.17 Fri posted at 13:06 JST

香港(CNN) 中国商務省は16日、米防衛大手2社に対し、台湾への武器売却を理由に制裁を科すと発表した。前日には、先月米領空に中国の偵察気球と疑われる飛行物体が進入した件で、米政府の対応に対抗措置を取ると宣言していた。

商務省の声明によると、制裁の対象となるのはロッキード・マーティンと、レイセオン・テクノロジーズの子会社レイセオン・ミサイルズ・アンド・ディフェンス。

両社は輸出入や中国国内での投資が禁止されるほか、2020年9月以降に台湾に売却した武器代金の倍額が罰金として科される。上級管理職の中国への入国や就労も禁じられる。

中国が罰金を執行する方法は現時点で不明。米国は中国への武器販売を禁じているが、米国の防衛企業には民間部門でつながりのある業者もいる。

中国は以前も両社に台湾への武器売却で制裁を科したことがある。その際は制裁の内容や執行の方法を特定していなかった。中国共産党は台湾を支配したことはないが、自国の領土とみなしている。

中国の制裁発表の数日前には、米商務省が中国軍の航空宇宙計画とつながりがあるとする中国企業6社に対して、政府の許可なく米国の技術を獲得することを禁じた。

中国商務省は制裁発表の際、撃墜された気球や中国企業に対する米政府の制裁には言及せず、「国家主権」の問題が制裁につながったとしている。

米中関係は気球事件後に緊張が高まっている。

米政府は中国が国際的な空中監視計画を監督していると批判。一方、中国はそうした指摘を否定し、逆に米国側が昨年初めから10回以上、違法に高高度気球を中国領空に飛ばしたと主張した。飛行地域には新疆ウイグル自治区やチベット自治区が含まれたという。

中国は米領空の気球は民間調査航空機がコースを外れたものだとも説明。米情報機関はそうした可能性について調査を進めている。

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