米国人のがん死亡率、30年で33%減少 早期発見、治療、喫煙減少が奏功

米国人のがん死亡率が30年で33%減少したとの報告が発表された/Adobe Stock

2023.01.13 Fri posted at 20:36 JST

(CNN) 米国人のがん死亡率が過去30年にわたって減り続けているという報告書を、米国がん協会が12日の学術誌に発表した。

それによると、米国のがん死亡率は1991年以来、33%減少した。推定380万人が死亡を免れた計算になる。がんによる死亡率は減少傾向が続いており、直近のデータが入手できる2019~20年にかけては1.5%減少した。

着実な進展の理由として、報告書ではがん治療の進歩や喫煙の減少、早期発見を挙げている。

米国がん協会は、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンと、がんによる死亡減少との関係も指摘した。HPVに感染すると子宮頸がんなどのがんを引き起こすことがあり、ワクチン接種と子宮頸(けい)がんの新規症例数の減少との関係が指摘されている。

20代前半の女性では、12~19年にかけて子宮頸がんの割合が65%減少した。「これはHPVワクチンが使用されるようになった後の時期と完全に一致する」とがん協会の専門家は指摘する。

前立腺の腫瘍摘出術の様子を超音波映像で確認する医師

米国人が一生のうちに浸潤がんと診断される確率は、男性が推定40.9%、女性が39.1%だった。

23年については米国内のがんの新規の症例数は推定約200万例(1日当たり約5000例)、がんによる死者は60万人超と予想している。

全てのがんを合わせた5年生存率は、1970年代半ばに診断された患者の49%から、2012~18年に診断された患者は68%に増えていた。

生存率が高いがんは、甲状腺(98%)、前立腺(97%)、精巣(95%)、メラノーマ(94%)の順。生存率が最も低いのは膵臓(すいぞう)がんの12%だった。

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