東部戦況の「難局」認める、抗戦は続く ウクライナ大統領

ウクライナ東部の戦況について、ゼレンスキー大統領が「非常な難局」にあると認めた/Office of the Ukrainian Presidency

2022.12.10 Sat posted at 14:50 JST

(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、同国東部の戦況に触れ一部地域で「非常な難局」にあるとしながらも、ロシア軍の攻撃へのウクライナ軍の抗戦は続行していると報告した。

大統領は日ごとのビデオ演説で、東部ドネツク、ルハンスク両州から成るドンバス地方の要衝での前線では非常に困難な局面が続いていると認めた。砲撃や砲火による被害を免れ、人間が住めるような土地はもう残っていない惨状にあるともした。

これらの場所は、前線を抱えるバフムート、ソレダル、マリインカにクレミンナとした。過去3カ月間で攻防ラインの線引きにほとんど変化が見られないにらみ合いが続いているという。

ドネツク州バフムート市周辺はここ数カ月間、激戦に襲われ、同市も広範な破壊にさらされた。州内の前線に沿って位置する数十の集落も同様の被害を受けた。

ウクライナのアレストビッチ大統領府長官顧問は9日、ロシア軍はバフムート市へ向けて前例のない攻勢を仕掛けたとも報告した。バフムート近くにあるソレダル周辺の状況も若干悪化したとし、ロシア軍は重要な交通路となっている高速道路近くの村落に迫っているとした。

ロシア軍の攻撃を受けたバフムートの住宅で消火活動を行う消防士ら

さらにルハンスク州での戦況に言及し、前線で双方が攻撃を加え合う流動的な局面になっていると述べた。ただ、現段階で攻勢にあるのはロシア軍とし、ウクライナ軍が防御を固めている情勢にあるとした。

一方、ウクライナ軍は9日、ロシア軍は攻撃の焦点をドネツク州に据えており、特にアウディーイウカとバフムートに狙いを定めているとの見方を示した。

軍の東部作戦管区の報道担当者は、バフムートの状況について「困難だが制御している」と述べた。ドネツク州のキリレンコ知事は7日、攻撃で住民ら5人が殺害されたと明かした。ウクライナ軍によると、アウディーイウカとバフムート近くに位置する25の地域が砲撃、迫撃砲やロケット弾の標的になっている。

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