(CNN) 映画「ゴッドファーザー」や「ミザリー」などへの出演で知られる米俳優、ジェームズ・カーンさんが死去した。遺族がカーンさんの公式ツイッターアカウントに掲載された声明で明らかにした。82歳だった。
声明では「ジミーが7月6日夕に死去したことを深い悲しみと共にお知らせする」と言及。遺族に寄せられた多くの愛情や哀悼の言葉に謝意を示すとともに、困難な時期にプライバシーを尊重するよう求めた。
死因は公表されていない。
カーンさんは1971年のテレビ映画「ブライアンズ・ソング」で米プロフットボールリーグ(NFL)シカゴ・ベアーズのハーフバック、ブライアン・ピッコロを演じて有名になった。この映画はピッコロの末期がんとの闘病を実話に基づき描いたもので、黒人チームメートとの人種の垣根を越えた友情の描写が称賛された。
次に出演した72年の映画「ゴッドファーザー」で一躍スターに。カーンさんはイタリア人ではないが、大物ギャングであるビトー・コルレオーネの3人息子の長男、ソニー・コルレオーネ役に起用された。対立するギャングから料金所で待ち伏せ攻撃を受け、射殺される場面が印象的だ。
カーンさんはこの役でアカデミー賞にノミネートされた。続編の「ゴッドファーザー PART II」でも回想シーンに登場した。
タフガイの役で知られるカーンさんだが、90年の「ミザリー」のような映画では弱さも演じ、俳優として多才な一面を見せた。この作品はスティーブン・キングの原作を映画化したもので、熱狂的なファンに監禁される物腰の柔らかなロマンス作家を描いている。
カーンさんは40年、ニューヨーク市ブロンクス区でユダヤ人移民のもとに生まれた。父親は肉屋だった。ミシガン州でアメフトをプレーした後、ホフストラ大学に進学して演劇の勉強を開始。クラスメートのひとりは「ゴッドファーザー」の監督フランシス・フォード・コッポラさんだった。